創作小唄
🔴創作小唄
『とんがらし』 作㐂三二
〽︎とんがらしィ
とんとん の とんがらし
なぜに おまえは 浮気する
あたしゃ 悋気で とんがらし
角(つの)が 真ッ赤にとんがらし
とんとん の とんがらし
とんとん の とんがらしィ
『カラス』 作㐂三二
〽︎からす カァで バカかいな
屋根で 待ってる バカかいな
裏から 下女が 団子 投げ
いま 旦那が 帰ったヨ
からす すかさず 舞い降りて
裏から スルリと
真ッ黒毛の真ッ黒毛の 濡羽色
あァ からす カァで バカかいな
バカかいな
『恋の下駄』
〽︎下駄をネ
カラリと蹴ってあしたァ天気
も一度蹴ってあさってァ雨ヨ
雨に来る人 誠(じつ)の人
日和下駄で来る人、誠の人
わたしャ主さん散茶だよ
茶筅で振ったりいたしやせん
お迎え来るまで
差しつ差されつ 本の仲ァ
雨の降る夜(よ)は
誠の仲ァ
『長命寺』
〽︎わたしゃおまえと長命寺
桜のしとねにくるまれて
おまえ百までわしゃ九十九まで
桜もちにはなれぬとも
せめてなりたや長命寺
『待乳山』
〽︎誰を待つやら待乳山
誰哉(たそや)行灯ぼんやりと
人に見せたや知られちゃならぬ
恋のうれしさ切なさよ
蛇の目にかくれて物かげで
誰にもゆうてくれるな都鳥
『言問だんご』
〽︎浮気な業平朝臣(あそん)が云ったとサ
言問団子は占い団子
黄色のくちなし団子からお食べの人は
内緒のお人がいるお方
さらし餡からお食べの方は
好いて好かれたみょうと仲
白い団子からお食べの人は
じつの情けの深い人
好いて惚れるなら
こんなお人に惚れしゃんセ
『面影橋』
〽︎四谷新宿しおらしや
おまえと別れた面影橋の
この手に残るあたたかみ
あれから数えてもう三年(みとせ)
赤子をその手に抱いてるか
便りの風も吹て来ぬ
『松の月』
〽︎月に松とは (〽︎松に月とは)
やるせない
来るか来ぬか
分からぬ人を
わたしゃ今宵も
待つに尽き(月)
『墨堤』
〽︎向こう堤は向島
あれを行くのはあの人かひな
あたしや三社で手古を舞ふ
あゝしょんないなしょんないな
向こう堤は向島
ゆらりゆらりと屋根舟から
糸の音 川面づたいに胸騒ぎ
あゝしょんないなしょんないな
向こう堤は向島
さくら 葉桜墨堤通り
ふたつの影が見えたり隠れたり
あゝしょんないなしょんないな
『小梅(こむめ)村』
〽︎日ッ本橋の、日ッ本橋のお旦那が、
向こう向島は小梅(こむめ)村
お別宅お建てになりました
黒板塀に見越しの松で
石灯籠に庭石おいて
築山つくって池掘って
小女(こをんな)おいて
準備万端おそろいで
後はお妾さがすだけ
どこかにお妾出物はないか
ないかいな
『馬道(まみち)』
〽︎馬道(まみち)往くのは
兄サじやないか
三枚肩の駕籠飛ばし
お引けに合わせて飛んでゆく
あァ妬けるヨこの胸が
雨もしとしと降って来た
帰りはぬかるヨ浅草田んぼ
滑って転ばにやいゝが
兄サ、気をもむあたいが
こゝにゐるのに気づいておくれ
えェ、気づいておくれ
『首尾の松』
〽︎今日はもてるか
袖振られるか
猪牙(ちょき)の櫓の音
占いギッチョンチョン
表が出るか裏目が出るか
川風ほつれの鬢をなで
気がきでないぞよ
首尾の松
『吉原冷やかし』
〽︎反古紙(ほごがみ)冷やかして
鳥渡(ちよいと)いこうか吉原大門(おおもん)
仲ノ町(ちょう)総籬(そうまがき)
見るだけ大尽大馴染
朱羅宇(しゅらう)の雨をかいくぐり
水道尻(すいどじり)にぶち当たり
黒助稲荷鳥渡(ちよいと)天窓(あたま)下げ
羅生門河岸で
大事な利腕もがれそう
えェ放しなおいら冷やかし
金棒引きに追い払われて
さても昼の法楽(ほうらく)目の保養
帰って紙洗橋で
紙すき仕事 ひと仕事
『長命寺』
〽︎わたしゃおまえと長命寺
桜のしとねにくるまれて
おまえ百までわしゃ九十九まで
桜もちにはなれぬとも
せめてなりたや長命寺
『待乳山』
〽︎誰を待つやら待乳山(まつちやま)
誰哉(たそや)行灯ぼんやりと
人に見せたや知られちゃならぬ
恋のうれしさ切なさよ
蛇の目にかくれて物かげで
誰にもゆうてくれるな都鳥
『言問だんご』
〽︎浮気な業平朝臣(あそん)が云ったとサ
言問団子は占い団子
黄色のくちなし団子からお食べの人は
内緒のお人がいるお方
さらし餡からお食べの方は
好いて好かれたみょうと仲
白い団子からお食べの人は
じつの情けの深い人
好いて惚れるなら
こんなお人に惚れしゃんセ
『墨堤』
〽︎向こう堤は向島
あれを行くのはあの人かひな
あたしや三社で手古を舞ふ
あゝしょんないなしょんないな
向こう堤は向島
ゆらりゆらりと屋根舟から
糸の音 川面づたいに胸騒ぎ
あゝしょんないなしょんないな
向こう堤は向島
さくら 葉桜墨堤通り
ふたつの影が見えたり隠れたり
あゝしょんないなしょんないな
『恋の下駄』
〽︎下駄をネ
カラリと蹴ってあしたァ天気
も一度蹴ってあさってァ雨ヨ
雨に来る人 誠(じつ)の人
日和下駄で来る人、誠の人
わたしャ主さん散茶だよ
茶筅で振ったりいたしやせん
お迎え来るまで
差しつ差されつ 本の仲ァ
雨の降る夜(よ)は
誠の仲ァ
『面影橋』
〽︎四谷新宿しおらしや
おまえと別れた面影橋の
この手に残るあたたかみ
あれから数えてもう三年(みとせ)
赤子をその手に抱いてるか
便りの風も吹て来ぬ
『松の月』
〽︎月に松とは
やるせない
来るか来ぬか
分からぬ人を
わたしゃ今宵も
待つに尽き
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