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2014年4月16日 (水)

其十五 百五十字洒落本『江戸柄花之明暮(えどもようはなのあけくれ)』mixi覚書


ご存知前書
江戸の戯作にやァ洒落本人情本滑稽本などがありやすがその内花魁女郎とのふれあいを描いた洒落本の真似事を目覚めのあくび寝入りの舟こぎの間の速書の一興お目にかなえばの仕合せでございやす

谷中いろは女郎とめ「お客さんもう一本つけやふか 大工作蔵「おりやァもういゝや と「そんなこと言わねへでもう一本おとりヨ 作「いゝよ と「呑みなヨ 作「いゝッたらいゝンだ と「吝な客 作「なんだとおめえンとこは呑み屋かァ酔い潰しておんだそうッて魂胆だらうやらずぶッたくりメ
4月7日夜


深川仲町きのえね女良さと「吉ッさん起きなせえナ明烏が啼ひてんヨ 日本橋多左衛門店(だな)指物師吉三「朝かァトのびをする さ「よく寝てたねえ 吉「きのふ茶箪笥納めてナ棍つめ仕事がつゞいたンで疲れてサ さ「ご苦労さん湯漬けでも食べてきなヨ帰つても独りなんだからサ 吉「ありがてえなァ
4月8日朝


深川裾継亀屋女郎みの「けふァまだ弥生だつてばかしなのにやに暑かつたよねえ 日本橋本町通り漆器加賀屋番頭亥介「昼にァ目白台のお屋敷までお届けもんで汗ヨそいで帰つてまた汗暮六ツにやァ涼しくなつたがおめえを先客に盗れちやなんねえから永代橋ィ走つてわたつてまた汗ヨ み「うれしィヨおまいさん
4月8日夜


音羽まつばや女郎たか「看板さん起きねえナ明烏ァあきれて飛んでッちまッたよ 中間辰三「おォよく寝たゼ た「なんだねへこの人ァ女良屋で寝入ッてりやァ世話ァねへヤ 辰「勘弁しねえナきのふは殿様のお供でいちンちお城の前でお帰り待ちヨ結構疲れンだ た「またおいではなッから寝かしつけてやッからネ
4月10日朝

赤坂伝馬町岡場所はなぶさ女郎さき「弦さんけふも人肌でよかつたよネ 中間弦治「オォ頼むゼ肴ァなんかねへかい さ「残りもんだけンど煮奴があるヨよけりやァあつためてくッから鳥渡(ちょいと)待つておくんな 弦「手料理かァお屋敷勤めしてッと生涯(しようげえ)嬶ァもてねへもンナありがてえゼ
4月10日夜


深川表櫓女良さと「烏も朝寝かねえ啼かないねえ 情夫(まぶ)伊左蔵「烏も春ヨ さ「そうなンだ 伊「まう一辺寝ようか さ「それどこぢやないンだらふおッかさんの薬代持つていかなきやァいけないンぢやァないの所帯持つたらあんたのおッかさんはあたいのおッかさんだもん心配サ五両でいゝンだネ
4月10日朝


赤坂伝馬町ひようたん女良とみ「縞の兄さん先月来てくれたよねえ 小間物担ひあきない佐平「なんでえやだねえ忘れられてんのかァ裏ァけえしにきたンだゼ と「ごめんヨすまないねえ 佐「マいゝさまだ二見の客だからナ と「そいぢやァさァ来月も来て馴染みになつてくんなヨ 佐「そいつァ今夜しでえサ
4月11日夜


貸本屋平吉「コゥいまァ明烏がねえたなァ起こせよおめえ 浅草六軒町ひさご女良(じよらふ)ゆみ「鳴かしときはヨ烏は勝手に鳴いてンの貸本屋が朝一から得意まわりしねへだらふあたいは起きたッて往くとこねえンだ寝かしといておくれヨ 平「横着な女(あま)だゼ湯ゥいつぺえくれ ゆ「そこに鉄瓶があるヨ
4月12日朝


赤坂溜池麦飯四六見世喜八や女良いね「やつぱり来ておくれだねえおまえさんは裏ァかえしてくれる人だと思つてたンだよゥ 麻布材木町武州屋番頭左之助「えッあたしの鼻の下ァそんなにのびてたかい い「そりやもふうれしそうにしていなすつてたぢやァありやせんかいお客さんがよろこんでくれンのが女良冥利サ
4月13日夜


谷中根津前甼(ちよう)あかねや女良(じよらふ)たみ「オヤおいでなさい 根津多衛門店(だな)大工吉次「オヤはねへだらふホレみやげだ た「アレありがたふなんだい 吉「羽二重団子サ た「あらァうれしい 吉「いまァ帳場ァ根岸でナ日本橋の旦那が隠居するッてんで寮に手ェ入れてンだサァ喰ほふゼ
4月14日夜


吉原中ノ町稲本若ひ衆(し)「峰秋さまおはやふございやす茶屋のお迎えがまいつておりやす 振新橘「主さまご隠居さまお起きなさいまし 峰「もふ朝かおまえとすごす夜はみじかいのふ名残はつきぬ後朝のだ 橘「またおいでなすッてくんなまし待つておりやすえ 峰「サテサテ振新買ひは年寄の冷水帰るとすべえ
4月15日朝


深川門前仲町一の鳥居岡場所裾継(すそつぎ)津の国屋伏玉(ふせだま)ゆみ「おいでなさい弥吉ッつあんけふァ早仕舞いかひ 日本橋春衛門店(だな)仕立職弥吉「まァな急におめえの顔拝みたくなつてナ ゆ「またそんな女郎殺し言つてサ時挟みのこの時刻ならわつちの値は半値の二朱(五百文)。魂胆見えてるヨ。
4月16日昼

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