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2014年2月19日 (水)

其九 百五十字洒落本『江戸柄花之明暮(えどもようはなのあけくれ)』mixiつぶやき覚書

ご存知前書
江戸の戯作にやァ洒落本人情本滑稽本などがありやすがその内花魁女郎とのふれあいを描いた洒落本の真似事を目覚めのあくび寝入りの舟こぎの間の速書の一興お目にかなえばの仕合せでございやす


神田明神裏孝兵衛店左官午吉「コウこゝァでえこんぱたゞらふおめえ地べた掘ってみたけえ 本郷大根ぱた女郎とめ「なんだい藪から棒に 午「藪ァ蕎麦屋ヨこッからァ金銀がでなかつたかッてンだ と「酔ッてンネ 午「おめえ知らねえナ元禄ンときァ小判丁銀の吹所があつたンだ と「与太やめて寝ちまひナ
2月15日夜


鳥越岡場所さかえや女良(じよらふ)はた「あんた振売(ふりうり)だつてたらふ烏ゥねえたヨ飛んでなくていゝんかい 浅草並木裏春衛門店(だな)幸吉「いゝンだ箒売りだからかみさん連中の手がすいたじぶんが売りどきヨ朝早く売り歩ひたッて誰も買つちやァくれねえヨ は「あたいハ長居されッと困ンだよゥ
2月16日朝


谷中女郎さと「きのふァ藪入だつたねえ 左官粂「おめえ藪入したンか さ「女郎の藪入があるかい 粂「ちげえねえ国ァどこでえ さ「国なんか聞かねえもンだヨみんな里にゐらンない余計者なんだからけえれる処ある人は仕合せがいゝや 粂「あつしも十三から親方ンとこに弟子入りして五年親の面ァ見てねえヤ
2月16日夜


野菜振売(ふりうり)吉次「ォゥ明烏でえ起きねえかい 入谷けころはな「おはよふ 吉「やッちや場すッ飛んでつて仕入れといきてえがこの雪だ駒込練馬は入らねえ本郷のでえこ小松菜が舟ではへえるか一丁かせがにやァコウあつい湯いつぺえ飲ませてくんナ 花「ァィョ元気に稼いでまた来とくれ待つてるヨ
2月17日朝


麻布十番岡場所さん月女郎たよ「与ッさんどこ往つてたのお見限りかと思つたヨ 畳職与助「面ァ見るなり文句言ふねえ向島の寮(別荘)で半月も畳替えヨ た「ォャそふなのあたしやァいゝとこしけこんでンかと思つたヨ源さんが南(品川)であんた見たッてからねえ 与「なにィ源公がおめえンとこ来てンか た「あッ
2月17日夜


「おはやふございやすお茶屋のお迎ひがめえつておりやすト障子の外から若ひ衆の声 馴染み客梅舟「もふ六ツかい多葉粉盆の火を持つで来ておくれそれから茶をいつぺえナ 若「ヘイたゞいま 花魁花乃尾「おかえりでありんすかえ主さま 梅「また来やすヨ 花「そふしておくんなましせつのうてなりんせん
2月18日朝


吉原小見世女良やまぶき「平さんなんてえ冷てえ足なンだい 馴染み浅草材木町作衛門店(だな)大工平助「そう言ふねえおめえに会ひてえ一心で浅草田んぼつッ切つて来たンだ や「アレうれしいよゥだからあたしやァおまさん好き気ッ風がいゝし容子もいゝヨ惚れ直したヨ 平「なんだかやンなつてきたなァ
2月18日夜


神田明神下けころ宿まつ「藤さん起きな明烏が啼いたヨ 「朝かァさつき寝たばかしのやふに思わァト金山寺味噌振売(ふりうり)藤助大あくび ま「なに言つてンだいゆンべくるなりつッぷして寝ちまつたぢやないかい どつかで呑んできたンだらふ 藤「覚えちやいねえヤ ま「いつもそうなンだサお稼ぎに往きな
2月19日朝


下谷けころ宿すゞや馴染仏壇指物職佐助「一本つけてくんな たけ枚かけ(前掛)をはずしながら「いゝことあつたンかい 佐「そうヨ日本橋の大店(おほだな)の唐木の仏壇をよゥ親方ンとこ納めたのヨ親方がヨ腕ェほめてくれてヨ た「そりやァよかつたねえあたいも一杯もらつていゝかい 佐「おォ呑め呑め
2月19日夜

2014年2月15日 (土)

其八 百五十字洒落本『江戸柄花之明暮(えどもようはなのあけくれ)』mixiつぶやき覚書

ご存知前書
江戸の戯作にやァ洒落本人情本滑稽本などがありやすがその内花魁女郎とのふれあいを描いた洒落本の真似事を目覚めのあくび寝入りの舟こぎの間の速書の一興お目にかなえばの仕合せでございやす


神田川柳原土手夜鷹えん「ねえ鳥渡(ちょいと)そこ往く看板(武家屋敷の法被)のお兄さん 松浦(まつら)家中間弥蔵「なんでい夜鷹か え「そうだよゥ 弥「洒落になんねえヤこの寒空の下あやまるあやまるこちとら丸出しの尻に粉吹いてンだ え「そんならねえ熱いぶつかけおごつておくれよゥ
2月10日夜


根津権現地内岡場所きゝよふや女郎やえ「源さんけふは雪休みぢやァねえんだらふ 大工源左「ホイそふだ往かにやァ や「湯ゥいつぺえ吞んでキなよ帳場(仕事場)遠ひンだらふ日本橋の河岸に屋台が出てるッてなんか食べてキなヨ 源「おめえも世話女房だなァ や「フンなにィいゝやがるゥ早くおいき
2月11日朝


居酒屋の床几横座りの大工卯吉「一辺でいゝンだ昼三ッての買つてみてえ 兄貴分勝吉「おめえ向ふ見ずな野郎だゼ三分は花魁だけの値段ヨ見世中に花(祝儀)ァまかにやァなんねえ舌(小判)ァ何枚だしたつておッつかねえそれにあつしら法被は揚げてくんねえとこヨ傾城ッてな城持ち大名の遊び道具サいつもの地獄が似合ひヨ
2月11日夜


上野山下ひさごやけころいの「起きとくれ烏が啼くヨ 今戸瓦焼職春吉「寒くつてやだなァ ト言ひながら腹這ひなつて煙草盆をひきよせ「火が消えてらァ「もふお仕舞ひッてことだよ 春「邪険にすんねえ火種ぐれえもらつてきてくれヨ い「仕様がねへなァ 春「ついでに熱い茶いつぺえたのむゼ
2月12日朝


「コウみやげだゼ 黒門町弥兵衛治店(だな)里次谷中根津女良(じよらふ)さか「うれしいおだんごぢやないけえおぼえてゝくれたンだオヤ四ツだよだんごッて五ツだよネ 里「四文銭(しもんせん)がでたらふそしたら客が一串五文のとこ四文銭いちめえしかおいてかねえンで仕方なく四ツにしたンだとマァ喰ひねえ
2月12日夜


深川岡場所きねや客舟大工由三「おめえ三月年明けだよナこゝでゝどこいく 相仇くめ「それが困りサ余計もんだから里にやけえれねえし身請けがいねえからその日のねぐらにもネどつか住込るといゝンだけどサ 由「舟大工の嬶ァになるケ く「誰の 由「あつしヨ く「本気かひ 由「かついでどうする
2月13日朝


深川不動尊地内岡場所万万屋(よろずいちりきや)馴染み客小間物担売り時之介女郎もめゑ「あつしの名ァは二本差しみてえたがおめえのもかわつてンな も「あたひのほんとの名はきぬッてのサそしたら庄屋さんが小作の娘が絹かッてンでおとッつァん怒つて木綿なら文句なえべえでもめになつたのサわらふナ
2月13日夜


四ツ谷弁天岡場所遊客中間吉左「こゝァ無精もんの場だナ 相敵そめ「なんでヨ 吉「甲駅まで億劫ッて奴の手近の間に合わしだナ そ「悪かつたネかえつておくれ明烏が間に合わせに啼いたわサ 吉「このあまァ四ツ谷新宿馬糞の中に鬼あざみダざまあみやがれ二度とくるけえあばよ そ「とッとおいき塩まくヨ
2月14日朝


「旅ァ日延べだなァ 京橋小間物商京屋藤兵衛降る雪にため息で障子をしめる 品川宿場女良よしの「お客さん上方までいきなさるのかい 藤「あゝあきないの用でね よ「いゝねえあたいは相模から年季できてもふ五年だ跡(後)五年こッから出られねえヨ 藤「ねえさん熱ひのをもふ一本一緒に飲もうかネ
2月14日夜


湯島坂下岡場所ひさご女良(じよらふ)いく「起きてごらんナ雪があんなに竹ァよく折れないねえ 馴染み下谷治右衛門店(だな)指物師栄三「春の雪ァ重ひが竹ァじきにはねけえすゼ湿り雪ァすぐ落ちる笹の雪の湯豆腐喰ひたくなつたコウけさァぶん流し(居つづけ)だ内所(ないしよ)に湯豆腐たのまァ雪見と洒落やふゼ
2月15日朝

2014年2月10日 (月)

其七 百五十字洒落本『江戸柄花之明暮(えどもようはなのあけくれ)』mixiつぶやき覚書

ご存知前書
江戸の戯作にやァ洒落本人情本滑稽本などがありやすがその内花魁女郎とのふれあいを描いた洒落本の真似事を目覚めのあくび寝入りの舟こぎの間の速書の一興お目にかなえばの仕合せでございやす


広尾町銘酒屋なだや酌婦さと「ネエお客さんお二階ゑ 渡り中間吉蔵「ホイ出たな鬼買ひによッしやァト梯子をあがり 「コウおめえ看板(法被)衣紋にかけといてくんねえ 「あいヨおまいさんどこのお屋敷だひ 吉「おれかァおりやァこの山の上の堀田様ヨ さ「あらまァたのもしいヨ馴染みになつておくれナ
2月7日夜


菓子売りいと岡持を下げ中間部屋の戸を半分引きあけ「まんじゅういかゞで 多葉粉(煙草)を吸つてた渡り中間杢蔵喜世留(煙管)を灰吹へぽんとはたき「いくらでえ い「十六文 杢「岡持ンぢやねえヨ い「買つておくれかい一緡(ひとさし)だヨ 杢「百文はたけえヤ八十にまけねえナ い「だつて出前だヨ
2月7日昼


浅草橋御門上手柳原土手風鈴楚者(そば)当りや亥之吉「姐さんも難儀だねえこふ白ひもんがふつてきちやァ 夜鷹しの「亥之さん熱ひとこいつぺえおくれヨ 亥「あいよ し「あァしけた夜だ夜鷹殺すにやァ刃物はいらぬ雪の三日も降りやァいゝッてネ 亥「ヘイお待ち し「ありがたふあゝあつたかひ
2月7日夜


吉原中見世突出よしの「妙に静かだと思つたら若旦那鳥渡(ちょいと)起きてごらんヨそとは真ッ白でござんすヨ 日本橋本町紙問屋倅表徳吟月「そふかァやらずの雪かおめえが降らしたな よ「アレうれしいヨそふ思つておくれかい別れはつらひもの胸のうちで観音さんに念じたのありがたふございますト手を合わす
2月8日朝


弁柄格子の中からすッとのばした火のついた朱塗の長喜世留をのぞきこんだ紙漉き職人巳之吉の法被の筒袖ンなかァさしこむ 巳「コウ熱ひぢやねえかなにィしやがる 小見世女良(じよらふ)花霧「オヤごめんなんしおいでの殿方は羽折衆だけかとかわつたお召物でありんすなァ 巳「素見と見くびりやがつて
2月8日夜


日本橋本石町扇京屋息子流泉「雪か茶屋の迎えにけふも逗留するッて家に使ひを出しておくれそれから山やの豆腐で煮奴で迎え酒さしておくれヤこの大雪ぢや洒落がきつすぎて帰れないもんねえ 若い衆「ヘイお手配いたしやしよう 相仇花魁桃里「足かけ三日にもなるとわちきと流泉さまの間にも緑青がわきそふでありんす
2月9日朝


中洲吉原仮宅妓夫(ぎゆう)「そこの博多献上の粋な帯の旦那さん鳥渡(ちょいと)ご高覧ご高覧花魁いま風呂で研いて紅白粉塗つて座についたばかりネご覧なせえ紅が濡れてンのがその証旦那ァ運がおよろしい跡(後)一歩おそきやァ花魁ほかにとられちまふ仮宅でやすからお手軽になつておりやす吉原に戻りや高嶺の花でやすヨ
2月9日夜


まだ明けやらぬ大門(おうもん)をくぐり衣紋坂見返り柳で立ち止まる八十吉に安兵衛「コウどうしてえ筑波颪(おろし)がたまンねえゼさてはおめえゆンべもてやがつたナ思ひだし笑ひなんかすンなヨ 八「なに言ひやがる夜中(よじゆう)枕の番ヨ憎らしいからにらみ返し柳こんだあがつたらもて殺しにしてくれやふあはゝゝ
2月10日朝

其六 百五十字洒落本『江戸柄花之明暮(えどもようはなのあけくれ)』mixiつぶやき覚書

ご存知前書
江戸の戯作にやァ洒落本人情本滑稽本などがありやすがその内花魁女郎とのふれあいを描いた洒落本の真似事を目覚めのあくび寝入りの舟こぎの間の速書の一興お目にかなえばの仕合せでございやす


麻布十番叶屋女郎はる「明烏がけさァよく啼くねえ。二ノ橋次右衛門店銅壷職弥七「やつらも初春ッてわかるンさ は「春になッと年明けで何枚も起請文やぶるのがでてくッからねえ 弥「そ
いで熊野の仲間がばたばた死ぬが悲しいッてンで啼くのかおめえもその口だらふ は「あたしァおまひさんに書いた一枚だけサ
2月3日朝


日本橋長谷川町三光稲荷裏岡場所若ひ衆「お客だよ 女郎きぬ「ォャお初かひ 本町一丁目上総屋手代弥助「ねえさん初会サよろしくたのまァ き「お店(たな)もんだね 弥「そうヨ き「初会祝に一本つけていゝかい 弥「ォゥいゝゼ台のもんも誂えッか き「ばかにしなさんナこゝァ吉原ぢやねえやナ
2月3日夜


平川天神脇岡場所波のや女良(じよらふ)たつ「勝ッつあん明烏がないたヨいゝのかい起きないであんたらの旦那さまのお武家は外泊ご法度だッてのに 渡り中間(ちゆうげん)勝蔵 「なァにお屋敷にやァ中間はごろごろヨしとりゐなくたつてわかりやァしねえヤおたつ湯ゥいつぺえ飲ましてくんな
2月4日朝


上野山下みなと屋けころみね前掛を外しながら「おいでなさい 仕事師佐吉「なんでいおめえ黒猫飼つてンのか労咳ハあやまるゼ み「迷ひ猫サ 佐「ならいゝが労咳に効くッてえからナ初会でみやげもらつちやァかなわねえ み「ぢやァ帰るかい 佐「つれねえなァ み「そんなこと云ふからサ
2月4日夜


吉原大見世二階廻しの若ひ衆廊下に膝まづき障子の外より客の表徳を呼び「おはやふござひやす茶屋からお迎ひがめえつておりやすどういたしやしようけさァ白ひもンが積もつておりやすこのまゝ居つづけなされてはいかゞかと花魁も喜ばれやしようし 花の戸花魁「雪かえ主さまそふなさひやんせわちきは嬉しゆふざァますゑ
2月5日朝


神田仲町治兵衛店振売(ふりうり)佐久蔵「コウ熊ァどこいくンでえ 大工熊吉「ちよいとナ 佐「また相生町の銘酒屋か鬼買ひにだナ 熊「へゝゝまァな 佐「なんでえそのおひねりァ 熊「そこの木戸の番太ンとこで買つた飴ヨひさごのやつァ三ツんになる子がゐンだ 佐「お染と所帯持つ気だナ長屋中で祝ふゼ
2月5日夜


根津岡場所多志まや女良(じよらふ)よし「もう起きたンかい 客伊三煙管をふかしながらうなずく よ「明六ツにやァまだ間があるヨ 伊「けさァ本町のお店(たな)いくンで一番湯ゥ浴びて髪結いかにやァなんねへのヨ よ「職人さんもたいへんだねえ 伊「まァなおいらたちやァ旦那あつての仕事ヨあばよ
2月6日朝

2014年2月 2日 (日)

其五 百五十字洒落本『江戸柄花之明暮(えどもようはなのあけくれ)mixiつぶやき覚書

ご存知前書
江戸の戯作にやァ洒落本人情本滑稽本などがありやすがその内花魁女郎とのふれあいを描いた洒落本の真似事を目覚めのあくび寝入りの舟こぎの間の速書の一興お目にかなえばの仕合せでございやす


コウ今夜ァ春めいてンなァ 白山下岡場所女良(じよらふ)いち「勝つァんがらにもなく風流なこと云ふねえ 定斎屋勝三「べらぼうメ小ばかにしやがつて い「おこッちやァやだよ勝つァんのおこッた顔は苦みばしつて女泣かせだねえ 勝「このやらふどこまで洒落やがるはッたおすゾ い「またいゝ男だ
1月28日夜


騒がしくッて目がさめらァこれだから宿(しゆく)はいやさネ 品川遊廓女良(じよらふ)こう「仕方ァないわさ旅ィお発ちなさるお客さんンばかりだもン伊佐さんは寝起きが悪ふありんすなァ 芝次郎兵衞長屋指物師 伊佐次「よしやァがれ北州の真似ァ歯が浮かァ ご「アレ言つたネつめるヨ 伊「よしァがれ
1月29日朝


谷中岡場所女良(じよらふ)さと「あしたァおほつごもり(大晦日)だえこんな晩によく来ておくれだよやつぱり忘れないでゐてくれてたンだ姿見せなひンでどつかにいゝのができたんぢやァなひかとやきもきしてたンだヨねえもつとこっち向いて顔ォよく見せておくれッたらねえ与三さァん 桶職人与三「掛取ァこゝまぢやこねえ
1月29日夜


日本橋次衛門店(だな)葦簀職人定八「源公起きたか迎えの舟きてるとヨ 深川女良(じよらふ)よし「お迎えだよ起きねえナ 指物師源三「もふ朝かいさっき寝たばかしヨ よ「そふだよゆンべあんなに呑んでさわいでたもン早くけえッておくれこれからあたいが寝る番なんだからネ
1月30日朝


浅草諏訪町甚兵衛店(だな)下駄職人卯之吉「おめえと元旦の屠蘇を一緒に酌みたくッてヨそいでおほつごもり(大晦日)の登楼と洒落たッてわけサすくねえがこれ年玉だ 鳥越岡場所女郎かつ「ありがとうれしいヨ卯之さんこふしておまいさんと除夜の鐘きくと年が明けて所帯持つたみたいで泪でちまつて 卯「泣くねえ
1月31日(太陰太陽暦正月元旦)朝


京橋白魚屋敷裏舟大工治助「おッ東雲(しのゝめ)が明けてきたゼめでゝえ元旦てのは鶴が啼くンかねえ真ッくろひ明烏ァいたゞけねえヨ 洲崎女郎うめ「元旦だもんネ飛んでくれたらありがた山だねえ 治「公方様の禁鳥でお狩場が上総にあンだらふ飛んできておかしかァねえナ う「サ祝膳だよお屠蘇をのもふよう
1月31日朝(太陰太陽暦正月元旦)


両国薬研堀喜左エ門店(だな)左官末吉「こねえだ深川いつたと思ひねえ 深川女良(じよらふ)はな「こゝ深川だよ 末「咄の腰おんねえおめえハ行つたか は「どこゑ 末「わかンねえ連れてかれたから は「そいぢやァわかンないよ 末「握り鮓ッてナ目のめえでつくッてすぐ喰えンだ華屋与兵衛ッて奴ヨ
1月31日夜

本郷大根ッぱた岡場所女良(じよらふ)ゆう「お客さん烏が啼いたヨ起きておくれおかみさんがうちで待つてるヨ 根津作左衛門店(だな)大工五郎八「けッそんな結構なもんがゐりやァこんなとこくッかよふ生涯九尺二間の侘び住まひッてネまたくるゼ馴染みになッからナあばよ ゆ「せわしないねえ一服ぐらひしていきなヨ
2月1日朝


田町稲荷新道岡場所たま屋女郎よし「松つァん今夜ァお酒がすゝまないねえどうしたンだい 金杉八兵衛店(だな)錺(かざり)職松蔵「おりやァもふ四十だがよう独り身ヨ よ「知つてッヨ馴染みだもん 松「おめえこないだこの三月で年が明けるッてたナ よ「そうなんだヨゥ 松「おれンとこ来ひ嬶ァになれ
2月1日夜

市ヶ谷軽子坂岡場所花のや女良(じよらふ)さと「おやッ明烏が 神楽河岸人足卯乃吉「ちッもふ朝かァけさァ荷があがンねえからいゝがよふ さ「よかつたねえお湯だけど呑んで往きなよト手あぶりの火をかきたてちッと熱くなつたンを湯呑みに注ぎ塩をひとつまみぱらぱらと落とし卯乃吉へ 卯「あゝうめえなァ
2月2日朝

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