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2014年1月18日 (土)

其の二 百五十字洒落本『江戸柄花之明暮(えどもようはなのあけくれあけくれ)』


ご存知前書
江戸の戯作にやァ洒落本人情本滑稽本などがありやすがその内花魁女郎とのふれあいを描いた洒落本の真似事を目覚めのあくび寝入りの舟こぎの間の速書の一興お目にかなえばの仕合せでございやす


床がきまりやしてそろそろ横になりやしようかネ 禿小鶴「花魁風がおやッ雪も舞つてきて 築山花魁「どおりで冷えると主さんに湯たんぽをお入れしておくんなゑ主さんゑお風邪を召しなさんでおくんなましゑ 遊客理風「湯を落としてなきやァひとッ風呂浴びてきようかね 築「小鶴下ゑ聞ひておくんなゑ
1月9日夜


お目覚めでお迎えがまいつておりやすが 遊客木卯「ハイおはやふ雪ァどうだね 若ひ衆(わかひし)「ヘイ霜のやふなものでして 木「ではかえりましよう駕籠をネ堀からァ屋根舟に行火ァ仕込んでおくれトおひねりを渡す 若「これは旦さんありがたふございやす 木「花魁またナ 花魁「あい
1月10日朝


花魁橘「主さんゑおめざめかゑおぶでも差し上げまするかゑ 青嵐「いやなに鳥渡(ちょいと)目覚めちまッたンで 橘「いまやつと大引でありんすぞえ 青「そうかい多葉粉一服たのむァ。近ごろ夢見がよくねえンだ 橘「主さまァつかれが溜まつておいでゞこざりやしよふよ
1月10日夜半

一度啼いた明烏がもふ昼寝しちまッたよ留さんけふは休むンぢやァなかつたンかい。 留「コウどうして起こさねえ 谷中けころお春「起こしたさァなんべんも 留「エイちくしようメまた親方に大目玉くらわァ 春「そしたらまたあたいンとこ泣きに来な 留「うるせえ
1月11日朝


あしたァ早立ちで葛西まで往かなにやァなんねえ床を決めてくんねえナ。深川櫓下女良お歌「あいよ吉さんも忙しひンだねえ 歌「鳥渡(ちょいと)面倒な用ヨ葛西衆の親玉に談判ヨ 歌「大丈夫なンかい葛西衆ッたら千代田のお城のおわいを一手にうけてるッてネ怖ひよあたしァ 吉「おめえにとばッ尻ァいかねえゼ
1月11日夜


おはやふごさいやすお茶屋からお迎えがめえッておりやす 岐山「おやもふそんな時刻かい茶をいつぺえもらおうかいねえ 里霞花魁「あいただいまもたせまするコレ菖蒲ヤ主さんに耳だらいに湯とお茶を持て参じヤ 禿菖蒲と漣声をそろえ「あいあい 里「明烏も啼かずお別れが切のふございやすぞえ
1月12日朝

コウ浅蜊のぶッかけでもねえかい 深川金猫お初「亥三さんお腹へつてやすンかい 亥「おほ張り名古屋ヨおめえんとこで一夜かせがふと舟ェ飛ばして銚子からけえつてきたンだまだァ体ァゆれてるゼ 初「銚子は干鰯(ほしか)の仕入かひ 亥「野暮な咄ヨ若旦那ァ勘当になンのよデ網元にあずかつてくれッかと聞きに往つたのよいざとなるとモ一辺往かなきやァなんねへヤ
1月12日夜


太鼓持夢介「旦那様お床がきまりやしたヨさ参りやしよう参りやしよう 旦那紙屋与兵「ヨシヨシすぐに参るぞ 夢「だいぶご酒を召し上がつておいでゞ 番新「夢さん今夜なんかあつたのかい与兵衛の旦那さんがこんなに召し上がるなんてネ 夢「無理もねえ独り息子さんを銚子にお出しなすッたからねえ
1月13日夜


明烏いまだ啼かなぬがせんど(船頭)迎えに来たる 若ひ衆(わかひし)「おはやふござひやし船頭がめえりやした 深川櫓下女良(じやらふ)およし「朝だよ 徳さん起きなよ 日本橋駿河町呉服屋手代徳次郎「もふ朝かァ よ「徳さん浅蜊の味噌汁一杯吞んできな 徳「ありがた山だぜ
1月14日朝


お目覚めか妙に外が静かだねえおまいさん。雪かいうれしいねえあたいが身あがりするからこのまゝゐなようゥねえさァ。息子株藤右衛門「鳥渡(ちょいと)障子あけて見ねえ晴れてらりやいゝが 中見世部屋持ち竹霧「やだよう帰るンかいゝつそもつと降りやァいゝのにサ 藤「そこが後継の律儀サヨ 竹「またゞよふ
1月15日


おやッ源さん昼遊びかい丁度部屋片付けたとこだ上がッておくれ 日本橋本町通り唐物屋番頭源蔵「なにこの先のお屋敷へお届けヨ鳥渡(ちょいと)間ができてナ 深川銀猫女良(じよろふ)「あッ丁度いゝ裏の堀に風呂舟が来てッから浴びておいでナお酒用意しとくから 源「おッこいつァいたゞき山のほとゞぎすだゼ
1月15日昼下がり


雪雲が出ておりんしたからけふはお茶挽きかと観念しておりんしたがこんな冷える晩におまはんはほんに実があるねえ 室町の紙問屋の息子株長市郎「あたりまえさネけふは花魁との約束だもの 藤波花魁「うれしゆうござんすえもそつとおよりなんしなまあ冷たいお手わちきのふところにいれなんし
1月15日夜


おはやふござひやすお茶屋のお迎えがまいつておりやす 遊客柳光「あゝ茶をいつぺえもつてきてくンな 若ひ衆「へい 花魁三輪「わちきが淹れますぞえ 柳「花魁は寝てゐなせえ 三「主さまのそのやさしさがわちきの仇 若「花魁ゑ持て参じやした 三「さッ主さま 柳「朝の一服がいつち旨ひねえ
1月16日朝


若ひ衆「おはやふさんでせんど(船頭)のお迎ひがまいつておりやす 浅草材木町の番頭与平「ありがたふヨお香こで湯づけいつぺえもらえッかい 深川女郎おゆみ「あいなすぐ茶漬け持つてまいりやしよう若ひ衆さん寒ひから船頭さんに勝手の火ンとこで待つてゝおくれと言つとくれ 与「おめえはいゝ世話女房になるなァ
1月17日朝


けふァ疲れた早寝させてもらふゼ 内藤新宿女良(じよらふ)いく「どつか寄道してきたンだらふお客さん 彦次郎「お祖ッ様ヨ い「信心ぶかひンだァ 彦「代参ヨてめえの信心なら疲れねえがようようになつた大家の代わりサ い「律儀だねえそんなお役目ならあたしァいらないネ 彦「それを言ふねえ
1月17日夜


おはやふ天気ァどふだい鳥渡(ちょいと)障子あけてみな 千住骨の女良(じよらふ)きぬ「やだよふ寒ひもン 泊客弥助「不精なやらふだなァ客が出かけやふッてのにヨ き「出かけるッたつてあんたさん旅姿ぢやァないやネ 弥「橋場ゑけえるのヨ き「また来ておくれナねえ 弥「うるせえあばよ
1月18日朝

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