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2014年1月28日 (火)

其四 百五十字洒落本『江戸柄花之明暮(えどもようはなのあけくれ)』mixiつぶやき覚書


ご存知前書
江戸の戯作にやァ洒落本人情本滑稽本などがありやすがその内花魁女郎とのふれあいを描いた洒落本の真似事を目覚めのあくび寝入りの舟こぎの間の速書の一興お目にかなえばの仕合せでございやす


根岸の隠居多左衛門「もふ大引(おほびけ)ァ打つたかい 振袖新造駒菊「アレ聞きのがしちまつたよォ 多「まァいゝそろそろ床にナ 駒「あい 多「いくつになつた 駒「十四さねえ ト頬を染めてうつむく 多「そふかィ十四か先にゆつくり寝るがいゝヨわしャもう一服しとるでナ
1月23日夜


「そろそろ明六ツかいト谷中池之端仲町伊勢屋番頭利蔵 根津権現岡場所女良(じよらふ)たみ「利さんまだ早ひよおまひさんお店(たな)は通ひだらふ 利「旦那さまがなァおまえも五十だ見世をもたせてやらふッてナ た「すごいねえおめッたふさん 利「おめえ三月に年期あけだな所帯もたねえかい
1月24日朝


根津次郎兵衞店(だな)大工吉松「冷えてきやがつたな 谷中女良(じよらふ)しげ「手あぶりの火ィかきたてッからこつちお寄りヨ 吉「酒もふ一本もらつてくんねえかい し「あいヨ内所からもらつてくるからそれにしても今夜ァ呑むねえ面白くないことでもあつたの 吉「まァな し「言つてごらんヨ
1月24日夜


街道から馬のいなゝき 麹町紙屋息子株時次郎「へヽヽやつばり甲駅ァ鄙びが売りよゥ明烏の十八番(おはこ)うばつて明馬だゼ 女良(じよらふ)おすえ「ばかにしていま烏が啼ひて飛ンでッたらふかえんなかえんなッて 時「おこンなよ松と直ァ起きたかなァ す「お連れかいゝま淹れッから茶ァ呑んできな
1月25日朝


上野山下けころのぶ「叕(てつ)つァん貝焼でもやろふかい 浅草並木町長兵衛長屋香具師(やし)叕次「おッありがてえ の「あんたが来るちよいまえ振売(ふりうり)の貝屋からむき身買つてさト手あぶりに鮑の貝殻で小鍋立てゆるく溶いた味噌ン中で浅利のむき身と刻んだねぎがふつふつと湯気をたて 叕「腹ァ鳴ッちまつたゼ
1月25日夜


ヘイおはやふございせんど(船頭)がお迎えにまいりやして 富沢町甲州屋手代佐吉「ホイ来たか起きねえかお客様のお帰りだコウあつしのお衣装様ァとつとつと出しやがれ明烏二声三声 深川櫓下女良(じよらふ)おゆき「蹴るこたァねへやナ帯も着物も自分でとつてサゝとけえんなもふ来るにやァおよばねえあばよ
1月26日朝


浅草広小路茶屋町裏出会茶屋紅屋小座敷けころ春「おまいさんの稼業は担ひ売りかい 客源作「わかるンけ 春「そりやァネ右肩が盛り上がッてンもん 源「夜(よ)蕎麦売りヨ 春「そりやァきついあきないだねえ 源「なァにあつしァ屋敷(武家)町が島だから辻番の旦那衆が辻々に四五人ゐてくださるンでネ
1月27日朝


あしたァあッたかくなるのかねえ銀さん(湯島下岡場所女郎いね) 貸本屋銀次「だといゝがな い「銀さんはどの辺までまわるンだいあたしァあんたの稼業がうらやましくッてサ 銀「なんでだい い「だつて大店(おほだな)にもお武家のお屋敷にもいくンだらふいゝなァ一辺あたしもそんなとこ見てみたいヨ
1月27日夜


おはやふ烏が啼いてッヨ(こんにやく島岡場所女郎たみ) 川並亥之介「よしきたッ た「はりきッてンねえ 亥「あたぼうヨけさァ千代田のお城の普請につかふ大丸太がへえるンだ た「あらッそんなときこんなとこなんかに 亥「いゝンだけえッて水垢離とッからサあばよまたくらァ た「まつてるヨ
1月28日朝


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コメント

学がにゃあで、あんばよう頭にひゃあらんけど、お江戸の庶民の雰囲気は十分わかるわなも。尾張の庶民敬助拝。

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