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2014年1月23日 (木)

其三 百五十字洒落本『江戸柄花之明暮(えどもようはなのあけくれ)』mixiつぶやき覚書

ご存知前書
江戸の戯作にやァ洒落本人情本滑稽本などがありやすがその内花魁女郎とのふれあいを描いた洒落本の真似事を目覚めのあくび寝入りの舟こぎの間の速書の一興お目にかなえばの仕合せでございやす


おゝさぶ今夜ァ雪になるかもナ早ひとこ寝ようゼ 谷中女良(じよらふ)とめ「なんだい吉ッつあん来るそうそう 客大工吉三「帳場(現場)が遠くてよう空ッ風ン中ァきたら冷えきッちまつてなァ と「二八(蕎麦)のぶッかけでもたぐつてくりやァいゝのに 吉「喰ッたらおめえと呑む酒がまずくならァな
1月18日夜


おはやふございお迎えのせんど(船頭)がまえつておりやす 駿河町呉服屋手代忠三「もふ朝かァ明烏は啼いたか 女良(じよらふ)おたみ「夢うつゝだもん判りやせん 忠「いゝなァおめえは帰ンなくていゝンだもんな た「なに言つてンのお店(たな)しくじるヨまた来ておくれ 忠「眠ひヤ
1月20日朝


コウ若ひ衆今夜ァ冷えるなァ 妓夫(ぎゆふ)太郎「ヘイさいでございやす折角中ァいらつしやつたンだどうです旦那景気つけておくんなさいやし 与三郎「そうかい揚るかなァ 妓「そふこなくつちやァ女の子ァ揃つておりやすヨねえこんな夜はもてやすゼ ヨッ一人占めにくいヨ色男お一人様お揚りィィ
1月20日夜


コウ佐吉ッつァん起きたかい開けていゝかい 連れ佐吉「オウ信さんかせんど(船頭)が来たかい 信「おッつけナ相敵さんおはやふ 深川女良(じよらふ)おのぶ「お連れさんおはやふさんでいまァ茶ァいれやしよう 信「そふもしてらんねえ のぶ佐吉に小声で「こんどは一人でネ
1月21日朝


おはやふございやす果文様お茶屋さんからお迎えがめえッてございやす 夕霧花魁「ごくろふさんゑわかりやしたえこれ主さま果文さまお目をおさましなされませ禿のすみれか小香だれぞおらぬかえ果文さまにおめざの袖の梅と煮えばなのお茶をもつてきておくんなましゑ主さまコレ果文さまお目をおさましなすつてくんなまし
1月22日朝


冷えるねえ床にへえッて吞まねえかい 本郷大根ッぱた(畑)女良(じよらふ)さと「そうしようさぶいねえ 谷中黒門町羅宇(らふ)担売り留吉「もつとこつちィよんなすきまッ風がへえッていけねえヤ さ「あいヨあんたもふ三年も来てくれてンねえ 留「なんでえ急に さ「桜の比(ころ)年があけるンだ
1月22日夜


コウいまァ明烏が啼いたなァ 本郷大根ッぱた女良(じよらふ)さと「さつき山の鐘が鳴つたヨ 谷中黒門町羅宇(らふ)担売り留吉「ゆんべの咄だがナおめえ年が明けていくとこあンのかい さ「それが困りヨ 留「おれンとこ来ッかい さ「ほんと留さんほんとにしていゝンかいあたい廿七の大年増だよ
1月23日朝


番外
柳ばし船宿さゞ波おかみ梯子の下から二階へ背のびして「若旦那伊佐吉姐(ねえ)さんがいらつしやいやしたヨ 「サ姐さんお二階へお待ちかねでございやすヨすぐ熱ひのォお持ちいたしやしよう 深川芸者伊佐吉さみせんを箱屋の若ひ衆からうけとりなれた様子で梯子を上がり「若旦さんお待たせあたしも気が気ぢやなくてごめんなさひねえ怒ッてるかい 日本橋瀬戸物町美濃屋若旦那与兵衛「だいぶ首が見越し入道サまァ一杯やつてくんな 伊「猪牙で急いでもらつたんで川風が冷たくッてあゝおいしい 与「もふいつぺえいきねえナ おかみ二階の上がり口から「ハイおまたせ熱ひのがつきまして姐さんお願ひいたしますヨ 伊「ありがたふおかみさん跡(後)はあたしがト肴を乗せた硯蓋と銚子をうけとり梯子を器用に引き上げ「ハイ若旦那熱いとこをご返杯ト二三杯やりとりし鳥渡おちついたとこで 与「弾いておくすれヤ 伊「ハイよト糸の調子を合はす 与「都々逸でもいこうか 伊佐吉爪弾きでひつそりと奏でる 与兵衛盃を干し「にくい雨だと小言をいへど好いた同志のもあひ傘 伊「若旦那ァほんにいゝ声だねェ 与「おだてちやァいけねえゼ 伊「だつてほんとだもン 与「しかしなんだナおめえとこうしてひつそり遊んでッと深川でばか騒ぎしてたんが野暮に思えて仕方がねえ 伊「お上も粋だよねえ奢侈(しやし)禁止だなンて派手な遊びいけないッていつてくれたおかげあたしァ奢侈禁さま様若旦那とこうして水入らず二階借り梯子上げりやァ誰に遠慮がいるもんかァト跡(後)は唄になる

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