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2013年10月 8日 (火)

川柳手習所見習(せんりゆうきようしつにゆうもん) 水無月席ノ巻

 水無月と申しやしても新暦のことでございやすから6月9日、葛西衆の里の席で十一句ほど詠みやしたが白状しねえとお叱りをうけやす。あつしァ歩けなくなつておりやすンで肝入りさんへ電飛脚で送つて席へ出していたゞきやして。三月からずつとこんなあんべえでご迷惑のかけどうしヨ。

 

 さて、はなのお題は、急ぐ

 

   つばくろは旅のさなかに子をなせり

 

   あつ湯好きそッと入ってさッと出る

 

   蕎麦ッ喰い仇のように手繰りこみ

 

 次のお題は、べたべた

 

   耳そうじ古亭主との膝まくら

 

   目明しの平次目がない恋にょうぼ

 

   地廻りのとらのご帰還泥の足

 

 三ツ目のお題は、がっかり

 

   粋な三味覗けば師匠ばあさまサ

 

   業腹ヨ深川飯が旅浅蜊

 

   落し文踏ンづけられてむごいこと

 

最後は二句でお題は、五重の塔

 

   六三四塔五重塔をかすませる

 

   音に聞く塔は上野か浅草か

 

 トまァこんなあんべえでございやしたが、選にへえつたンは下の三句でして。
   客   目明しの平次目がない恋にょうぼ
   客   粋な三味覗けば師匠ばあさまサ
   秀   六三四塔五重塔をかすませる
 ヘイお粗末さまでございやす。こんげつハこれきり。

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コメント

兄さん
ご無沙汰!!
この三句、特選でいただきやす。

「急ぐ」は三句とも兄さんのことかいな?
ところで「旅浅蜊」って・・・・あーそうか!某隣国産ってコトね。鈍くてゴメン

姐さん、お元気で。こつちこそごぶさたしとりやすヨ。
三句お認めくださりありがた山でござんすヨ。
あつしァつばくろぢやァござんせんゼ。そう言やァ昭和の三四十年代でやしたか、若ひつばめなんて詞ァ時花(はやり)やしたなァ。
旅浅利ァ江戸ッ比(ころ)ァ江戸前のうなぎは深川が本場でして余所で獲れたンは旅してきたッてンで旅うなぎと見下しやして。そこから旅浅利と詠みやして。うなぎも浅利も旅してきたンはへばッておりやすンで味ァおちやすからねえ。

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