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2011年11月29日 (火)

江戸好無手川柳(ゑどごのみからぶりせんりう)

 あつしァ三日とあけずに透析養生所に通ひつめておりやしてそこにやァ同病憐れむッてお仲間が大勢さんおりやすのサ。そんな中で風流にも川柳をやらふぢやねへかと言ひだしたお人がおりやしてネ。丁度能(いゝ)あんべえに娑婆で川柳の会を仕切つてるお方がおりやすンでそのお人に肝いりになつてもらつてこの初夏にはじまつたト思ひねへ。
 川柳ッてのはなんですッてネ。いつち出来の能のを天、つぎが地、それから人の位があつてその下が五客、これァ五人がえらばれるわけですナ。どん尻は秀。これは人数の枠はありやせんそうで、その下は塵でふつうは捨てちまふンだがお情けで書きならべるだけはしてくれることになりやしたッてわけだ。
 第一回目のお題は「透析。渋ふござんしよう。並の会ぢやァこんな題だしやせんゼ。投句はひとり三句までッてンでへたな鉄砲なんとやらあつしもねへ天窓(あたま)ァしぼつて三句ひねりやしたゼ。その内の一句が五客にへえりやした。ご披露いたしやしよう。
   透析は厭というくせ皆勤賞
 もふ一句は秀にひつかゝりやして、
   一週を三日昼寝のいい男
 こりやァ言ふまでもねえ江戸ッ比(ころ)の角力(すもう)取りをよんだ一年を十日ですごすよい男の本謌取りでして。しめえに肝いりの総評ッてのがついておりやしてネまァ素人の句会なんで要領ッてェか悪ひ例が書ひてありやしたそン中にあつしの労作が、ひねりすぎてわかりにくい句としてあがつてンのヨ。こんな句だヨ。
   この病打つでなつたはためしなし
 どうでございやす。わかンねえだらふ。川柳はなぞかけぢやァねえがうがちもなけりやァ洒落になんねえ。呑む打つ買うッてむかしから言ひやすナ。呑みすぎて糖尿になりあげくぬ果ての腎不全ッてのもありやァ男殺しの婀娜な女にみこまれての腎虚の果てッてのもありやしようが博打にのめりこんで腎不全ッてのはありやせんのサ。
 ちなみにこン回の天は「透析に明日の夢を支えられ。地は「びくびくと計りにあがる月曜日。これは鳥渡(ちよいと)説明がいりやすナ。あつしらの体ァお小水がでやせんのでそいつを透析で血の中から抜きやすンだが土日は透析がねえンで二日分水がたまつちまふ。それで体重の増えが気になるッてェことでしてネ。人は「透析時拙句捻って一人悦。
 第二回目のお題は「楽しみ。こりやァかなり巾があるお題でございやしたな。こんどもあつしァ三句ひねりやしたゼ。そのうち二ツが秀にへえりやした。
   楽しみはニに酒飲みて三に打ツ
   鮨をちょい薬喰ひとてちょいはよし
 こいつァなんですゼ。楽しみの一番はこゝにやァ書けねえやッて洒落でしてネ。次の句の薬喰ひッてのは江戸ッ比(ころ)もゝんぢ屋なんてのがあつてそこで牡丹だ桜だなんて言つて猪だの馬を滋養があつて力がつくッてンで駕篭舁だの仕事師(鳶)に喰わせたンだ。

あつしら透析もんは肉や魚ン中の成分のリンが心臓や血管にたまつて命取りになるンで並のお人のやふにァ喰えねへッてわけなんでこう言ふ句になりやしたンだが、この薬喰ひ江戸語なんでいまのお方たちにやァつうじやせんので。
 選にもれた句は、
   水抜いた夜のうまさよ酒の濃さ
 この句はあつしァ好きでしたな。手前味噌だが語呂はいゝし、晩酌がうめえなンて説明になつてねえとこなンぞなかなかの出来と思ふが世間はあまかァござんせんナ。
 ちなみにこの第二回目の天は「ベランダに朝の楽しみ花一輪。地は「実がなって食べる
楽しみおすそわけ。人は「人づくりほめて目をかけ絆かな
 第三回目お題は「旅行。こンかいもあつしァこりずに三句つくりやしたが、なんせなんでもかんでも江戸ン中で詠もうッて魂胆だから鳥渡(ちよいと)難儀いたしやした。
   時空旅写楽探しに江戸の町
   弥次喜多について往きたし膝栗毛
   極楽は物見遊山はずっと先
 仕舞ッぺの句はずうずうしいけどあの世にやァ当分往きやせんッて気分ヨ。マこんなとこでやすが三句そろつて大空振り。ぜんぶおッこちやした。
 こンときの天は「旅のあとホッとひと息我が家の湯。地は「手を握りそっと寄り添う喜寿の旅。人は「方言に耳かたむける朝の市。
 こんなあんべえで江戸を舞台にきりきり舞いの句はなかなか日向にでれやせんがこれからもしぶとく江戸いのちの一本やりでひねつてやらふと腹ァくゝつておりやすのヨ。

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コメント

たいへん楽しく拝見させていただきました。

moon3八州の哥(あにィ)江。 ありがたふごぜえやす。鳥渡(ちよいと)でも書きこんでくださると励みになりやさァ。

飲む、打つ、買うの修行の果てに透析道へ   
洒落と風刺を効かせた江戸前川柳に共感を覚えて候   平蔵

moon3平蔵のお頭さま江。 へェへヽヽ、お頭さまァ恐れ入りやす。透析の身におちぶれやしてもこの道だきやァやめられやせんで。あいすいやせんです。へェイ。  喜の字

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