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2011年6月28日 (火)

巻の十四 都々逸手前美素(どどいつてまえみそ)

つづいて冬の名残の詠み残し。時季はずれのご愛嬌とおぼしめせ。

 筑波颪(おろし)に隅田は荒れる、意地と度胸の猪牙がよい

 風におされて南へ往けば、浜の女郎になぶられる

 奴勤めは勇(いさみ)が命、尻が粉を吹く寒ざらし

 あんかもつやつうらやましいね、うちのあんかはつめ立てる

 火事と喧嘩は江戸の華だが、夜鷹でおちたおらが鼻

 蛸に骨なし凧に骨あり、骨があるよなないをとこ(男)

 舌先三寸まただまされて、憎いをとこにまたみつぐ

 惚れて通つてよくよく見れば、えくぼただのあばた面

 かんざし一本工面もできぬ、甲斐性ねえけど惚れてるぜ

 三筋の糸は切れてもいゝが、主と結んだ赤い糸

 舟に乗らずに船宿二階、猫の爪弾き粋な夜

 縁もゆかりもなかつたふたり、いまぢや小鍋であつい宵

 むき身浅蜊にせん切大根、こんな小鍋で主さんと

巻の十三 都々逸手前美素(どどいつてまえみそ)

半年ほど休んでおりやした。冬の間に手なぐさみで詠んだンを鳥渡(ちよいと)ご披露。時季はずれはご容赦くだせえ。

縞の結城に黒八羽折(はをり)、主(ぬし)ァまたどこへ浮気ゆく
   ※黒八=黒八丈。伊豆八丈島産出の黒染め八丈紬。幕末から明治期にかけて通人の洒落着として流行った。
   ※羽折=羽織の別表記。江戸期この表記も行われていた。

岡惚れやしたと調子はいゝが、ほんにできない目をしてる

こたつしこんだ屋根舟には、主とふたりの水いらず

主が竹なら妾(あたし)は松よ、主の根元でしげりたひ
   門松に懸けた詠み。※しげる=江戸期の吉原詞か。男女の交合の意。

意地で別れてみたもゝの、年の瀬ひとりは肌寒い

鐘の鳴るまぢや姿をかくす、大晦日(おほつごもり)は貧の詰
   ※その年のツケは除夜の鐘が鳴るまでに払うのが決まりであった。

うれしぢやないか大晦日(おほつごもり)は、密夫(まぶ)がいちンち床の中

あらひざらひの払ひを終へて、迎へる春の身の軽さ

九尺二間のひとりの暮らし、無言ですごす三ケ日

茶屋の娘を観音見立て、そりャ不信心初詣

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