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2010年7月24日 (土)

巻の五 都々逸手前美素(どゞいつてまえみそ)

 都々逸ッてもんはなんでして。俳句ぢやァ脂ッ気が抜けすぎ、川柳ぢや帯に短し、和歌ぢやァ澄ましすぎッてンで、男と女の間合いを唄うにやァ丁度よろしいンですな。そんなわけでへたの横好き数打ちァあたるッてんでかき散らしやした。お暇つぶしに洒落でみておくんなせへ。

暑い言ふてもしよンないものを 言へばちッたァ気散じサ

暑いさかりに行水すれば 塀のふし穴みな埋まり

主と涼みの吊り忍舟 すだれ下ろす間肌恋し

恋の花咲くさくら餅食べ 主の心を言問団子

お金なければ通にハなれぬ あつてもなれぬ粋風情

夕べの哥(あにィ)後ろ髪だよ 伊達のいな背が鳥渡(ちよいと)気に

ゆんべの真実(まこと)嘘になる朝 伊達に言はぬが鳥渡(ちよい)醒めた

江戸で生まれて本所で育ち いまぢャ深川黒羽折
  ※羽折=羽織。江戸表記。

柳ばしから屋根舟涼み 主のお連れが邪魔ぢャわい

主さんひとり帰しはしない 明けの烏が啼くぢやなし

夕部(ゆンべ)主さんあがりもせずに かすめ通るハ悋気ぞえ

洒落でこの世に生まれてみたが 洒落をかさねて金がない

風で桶屋ぢやあるまいものぞ 風に柳とけふも往く

今宵くるかと戸口に待てば 金棒引きの無駄まわり
  ※金棒引き=吉原の羅生門河岸などで客が女郎のいる局まえに立ち止まって流れがわるくなるのを追った地回り。

主のみやげといさんで明けりや 別れつげ櫛なさけなや
  ※櫛=苦死で櫛は縁起がわるいとして、男から女に贈ると別離の意味があった。つげ(黄楊)櫛、告げるにかけた。

蓮の花さえ泥田で咲いて 清い姿になるものを

忍ばなャならぬふたりの仲は 不忍池で結ばれる
  ※江戸時代、忍ばずの池の弁天島には出会茶屋が軒を連ねていた。

鳥渡(ちよいと)爪びく舟宿二階 粋な小遊び夜がふける
  ※奢侈禁止令で派手な遊びができなくなり、舟宿の二階で芸者が三味線をつま弾いて静かに遊ぶのがはやった。

川を渡ろかこつちにしよか 鳥渡(ちよいと)気になる柳ばし
  ※大川(隅田川)を渡ると岡場所深川、江戸側の柳橋には舟宿があり、そこでも遊べた。

連れがあるうちャ遊びは野夫(やぼ)よ 色はひとりでそつと往く

宵の深川ぞめきの花も 衝立たてて夜がふける

枯れたお方と思つてゐたが 恋の芽が吹く春の風

折込都々逸

題 ゆあがり

ゆ 夕立あがり
あ 茜がさして
が かわほり舞つて
り 琉球蓙(りゅうきゅうござ)
   ※かわほり=蝙蝠。
   ※琉球蓙=夜鷹が抱えて商いに出た蓙。

題 すなはま

す 好いたお方が
な 馴染みになれば
は 箸の袋が
ま またうれし
   ※箸袋=吉原では三会目の客には客の名を入れた箸袋を用意した。馴染み客の証。

題 しおさい

し 知らぬ顔して
お 落として文を
さ 誘う未通女(むすめ)は
い 色気づき

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