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2010年2月25日 (木)

【番外】童唄籠目判秘帖(わらべうたかごめはんじひちよう)

 知合から電子飛脚で文がきて、餓鬼の遊びのかごめ\/の唄の謎ときをしろッてのヨ。おめへでやんなッて言つてやつたんだが、鳥渡(ちょいと)おもしれへンで、あつしもしとつ(ひとつ)と膝ァのりだしたッて咄ヨ。あつしもてめへでおッちよこちよいだと思ふゼ。
 唄ァこうだ。/かごめかごめ 籠の中の鳥は いついつ出やる 夜明けの晩に 鶴と亀と滑った 後ろの正面だあれ/ すこしづつちがうのが地方によつてあるらしいが、あつしァこの文句でねへ知恵ェしぼつたと思つておくんな。
 まず初手(はな)の/かごめかごめ/ヨ。こりやァ籠目籠目で、竹駕篭の粗い目のことでやしよう。文様にもあるあれサ。いまのじでえ(時代)なら籠目洋醤油(カゴメソース)の商標だ。つぎの/籠の中の鳥は/の籠はその粗い目で編まれた籠、ソウヨ鶏を飼うとき逃げねへよふに上からかぶしておく釣鐘形の籠のことでやしよう。かごめかごめハ籠の目とかこめかこめにもかゝつてゐるのは洒落好きの江戸ならあたりめへの詞あすび(遊び)。その籠ン中の鳥ッて言つてゐるンだが、鳥ッてのは譬えでつぎの/いついつ出やる/の文句から考えりやァそこからでれねへ人を指してると言へるンぢやァねへか。この唄ァ徳川時代のもんだらふ。あの比(頃)ァあからさまに言ふことはご法度。そいで人を籠に入った鳥になぞらえてゐるンぢやねえだろうか。現に罪人(つみびと)を地方から江戸へ運ぶまた江戸から地方へ運ぶにやァ唐丸籠がつかわれておりやしたから、ずばりでもあるわけヨ。唐丸籠ッてのは籠目文様のやふに竹で粗く釣鐘形に編んだ大きな籠で、罪人は縄掛されて板の上にあぐらをかゝされその上からこの籠をかぶされる。逃亡をふせぐためにさらにその上から網をかぶせて担いで運ばれたそうでやすナ。道中まつたくでることはゆるされず用便も尻の下の板にあけられた穴からさせられたッてッからまったくでるこたァできず/いついつ出やる/ダ。こゝの文句を/出会う/と唄う処(とこ)もあるやふだが、そいつァきつと/やる(/ya ru/)/の子音/y/と/r/が抜け落ちて/au/(会う)になつたンだらふ。や行音もら行音ももと\/あつしらこの邦のもんにやァ発音が苦手な音でやすからネ。咄ァ鳥渡もどるが、唐丸籠の唐丸ッてのは越後でつくりだされた鶏の種類で、軍鶏と書いてとうまるとも読ませておりやしたナ 。つぎの/夜明けの晩に/だが、こいつァ難問だゼ。/晩/は夕方の晩なのかねへ。番ともとれるゼ。そふとると/夜明けの番に/だ。/鶴と亀と滑つた/の意味がちがつてくらァ。いまゝでほとんどの絵解きぢやァ鶴も亀も長寿の印それが滑つたンだから命が短くなつたと考えてンだが、夜明けの番(寝ずの番)の鶴公亀公がしくじつたンで捕えられて唐丸籠でおくられる、そつァ誰だッて咄の唄になりやしょう。どん尻の文句/後ろの正面だあれ/、これァ唐丸籠を担いでる後の者の正面、まさに籠ン中の人間、それは誰だと言つてるわけヨ。罪人を運んでる沿道や宿場で、籠の中なぞのぞくことなど許されちやァゐねへ。そいでそいつァ誰だと唄つたンぢやァねへかねえ。マこりやァあつしの推量だからネ。あたるも八卦あたらぬも八卦。おもしろかつたらお慰み。ヘイお退屈さま。

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コメント

篭目のほかにも江戸あたりからの流行り唄にはおもしろそうなものがたくさんありますね。
地方の唄にも目を向けてみてぇと思っておりやす^^

moon3絵付師姐さん江

 わらべ唄ッてのはけっこう奥が深いよふですゼ。茶壺に追われてなんてのは、将軍家用のお茶壺道中のことだつて言ひやすしネ。

 喜の字

前の春にゃお茶壺道中にばったり会いやしてね。
ヅラのズレも目に彩な立矢のお女中さん方を追いかけてお城に入ったんじゃあ、ずいぶん解釈が違っちまうようで。

さて、今年の島抜けはどうなる事やら。

moon3ねこじゃねえやいのお玉姐さん江

 ヅラのズレも目に彩なッてのがよござんすねえ。 あつしもめえにお茶壺道中を観たことありやすが、だらだら歩きで気勢があがんねえンだが、ほんもんもあんなもんかもしれやせんナ。なんせ道中なげえからねえ。
 この春も島抜けたくらんでンですかい。いゝ旅になりやすやふに。

 喜の字

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