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2009年9月 1日 (火)

【番外】直弼の茶

 べらんめえのぢゞいに似ぬ所業なれど、幕末の大老井伊直弼が政務の合間を縫って綴った「茶の湯一会集(ちゃのえいちえしゅう)」を読んでなるほどと合点したとこがあるのヨ。ほかでもねへ。正客が濃茶を飲み、その茶碗を次客に渡すとこだ。直弼は石州流なんだそうだ。濃茶点前中の条にこう書いていなさる。
「千家にては、茶碗を手より手へわたせども、当流にては大いに嫌い候。大切のお茶、大切之茶碗と申し、中(ちゅう)にて受け取り渡しする事、甚だ麁相のあつかいなり。
 こいつァ一理あるねえ。あっしが末席を穢してる千家もよかれと思ひ、大切なものだけに手から手へ直に渡してきたのだろうし、石州ではおなじ思ひから畳にいったん下ろして次客がそれを取り上げるわけだ。どっちがいゝのか。こいつァよく考えなきやぁなんねえとこだ。
 陶器屋だの道具屋で焼物を見せてもらうにやァ礼儀がありやすな。机や棚から取りあげるなッてね。気軽にひょいと茶碗だのを持ち上げる客にやァ見世のもんハはらはらいたしやすヨ。物ゥしらねへ奴(やっこ)と見抜かれらァ。棚や台から上にやァ持ち上げねへのが礼儀。割ったら買やァいゝなんてのハはなから咄になんねへがさつもんヨ。棚や台の上でたなごころで受けて拝見するがよかろふッてもんだ。
 茶は、一座建立だそふで。亭主と客。亭主は客を気づかい、客は亭主を気づかう。亭主の力量、客の力量が五分と五分でなきゃあ、茶の座は成り立たねへッてことなんでやしょう。
 あっしゃァこのミクシイのコミュもおなじと思ひやしたねえ。
 或るわけえのから、一服飲ましてくねえッて気楽に頼まれたことがありやす。かれこれ十年もねえのことだ。その咄をしやうかと思ったが長くなるンで、又にしやしょう。歳ィとるといけねへネ。どふも長話をしちまって。今夜はこれ切り。

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コメント

厭味な爺だねェ。おのれ自慢に人さまの庭先拝借してンのかねえ。ぢゞいと見える歳ぢやァもうなにやっても手おくれ。はやいとこあの世とかへ行きなせへッてネ。赤鬼青鬼さんがねじ曲がった根性へしおってくれやしょうヨ。

 喜の字

ええ! その続き話が聞きたいやおまへんか!!
あややや。

お茶には滅法疎いんですけんど、対峙する相手と相手の五分五分の勝負を勘違いしてはるお人もいはるなあ、とこないだ思いましてん。

御苑の古い私宅で開かれた、
エコをうたうフリーマーケット。

庭に風呂敷広げた古本やさんの中年のご主人。

本に値付けをせずに品を並べて、本の値を問うお客さんに、あんたはその本においくらぐらいの値を付けはりますかと逆に問いかけはります。主人の思う値でない答えには「お売りできません」とつれない返事。

でもねえ、人には人のお財布事情があって、古本は出会いのもんやないですか。

そうやって、値付けにしくじった人の心を損なってまで、ああやって人の心を試す必要があるんかなあ、となんか憤懣やるかたなかったんです。値を問いかけた、本を愛するお友達がえらい可哀想でしてん。

茶の心の対峙の仕方は、まず人の心を気遣うのがきほんなんですよね? この古本やのご主人にお茶の心をならってもらいたいと、いま思いました。

姐さん、ご不便おかけいたしやした。
江戸のことなら俺が一番と鼻高々のトンチキがあっしの徒然文読み違え揚げ足とりのいちゃもんづけの孫引き知識のひけらかしの書き込み、そのうち莫迦だちょんだとうるせへったらねえンで、ちょいと敷居を高くさしていただいたら、お馴染みさんの姐さんにまで迷惑をおかけすることになっちまって。敵さんをお出入り差し止めにいたしやしたんで、また元のように、気軽にお書き込みできるよう、元に戻しやすんで、これに懲りずお頼みもうしやす。

 猫なんか見てても、そこらぶつかったりしやせんやネ。盆暗、薄のろ、気が利かず、こりゃァ人間だけだねエ。そいつが増えてる。困りもんヨ。

 喜の字


お久しゅうございます。
細々と生きておりますよ。
好きなのはそばよりうんどんでございますがね。

石州流ですと武家のお茶ですから、
千家の血みどろの厳しさとは違う、すっとしたお茶でございましょうか。どちらがいいというものでも・・・おおなんというしったかぶり。

しかし、お茶碗を眺める時は、畳に肘をついて、這いつくばって観たりしますでしょう?落っことしても割れないように、というのでしょうが、動作に理由があるのがすきでねえ。なんで子供のときにもっとお茶の手前を習っとかなかったろう。がさつな奴に育っちまいまして。

ところで、都市伝説破壊者という番組がございまして、瀬戸物屋に雄牛、という格言が本当かどうか調べるっていうんで。
実際に猛々しい雄牛を数頭、瀬戸物の並んだ安定の悪い棚をたくさん並べたところに放しましたら・・・。
通路はせいぜい牛の幅くらいしかないのに、みな行儀よく、どこにも触らず、何一つ壊さず、結構な早さであっちこっち通路を駆け回っていやしてね。あたしゃてっきり大惨事だと思ってたんで、快哉を叫んじまいやした。

なんでえ、ブキなのは人間様じゃねえか、牛に謝れ!
でけえ荷物なんぞ下げたまま、見世の品にぶつけて歩く気の利かねえ人間なんぞより、ずーっと足取りがお上品ってもんよ。

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