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2009年9月10日 (木)

【番外】吉原ハ日暮レテ道遠シ

 吉原いかねへやつァ咄になんねへッて相手にしてもらえなかったそふですナ、江戸ッ比(頃)ァ。言ってみりやァ並の学校で教えてくんねへことをおせえてくれる修身の学校みてへな処(とこ)だったようで。色の道だッてえから、図画かいッてェと、馬鹿カおめえハてんで、粋の成り方ァおせえてくれんのよッてことだト。
 蒟蒻本(こんにゃくぼん)に古今吉原大全ッてのがあって、酔郷散人が序を書き、画は鈴木春信。明和五年に世に出ておりやすンだが、だかが蒟蒻洒落本たぐいト莫迦にやァできねえよ。吉原ハほんに勉学の場だね。ただ遊んでちやァいけねへ。振られるのも勉強なら、野暮とみられねへやふに気遣いするのも大勉強。そこんとこ、巻末に芯が書いてあるんで、抜き書きさしていたゞきやしよふ。(洒落本大成 中央公論社)
  女郎買は。金をつかひ習ふより。意気地(ゐきじ)を覚ゆるが。肝要なり。金はわきもの。ありさえへすれば。つかふに。苦のなきものにて。意気は。にはかに覚へがたし。世間にても。金を活してつかふ。殺して遣ふ。といふ事あり。されどまづ。むだ金を。沢山つかひたる。うへでなければ。佳境には。入りがたし。第一。男ぶりよく。心にしやれありて。金銀も自由になり。此三ツを。そなへたるものこそ。まことの買手といふべし。しかし又。女郎かいには。貧富の論なく。名ほど貴(たつと)きはなし。名のとをりたる。意気人には。いづかたにても。女郎はほれるものとしるべし。又女郎をだましてすかすなど。さもしきわざにて。真の通人には。なき事なり。されば。意気地といふは。心さっぱりと。いやみなく。伊達寛濶(くわんくわつ)にて。瀟落(しやれ)を表(おもて)とし。人品向上にして。実(じつ)を裏とし。風流をもつてあそぶを。真の通人といふ。
 ま、こんなわけだ。合点ハいったが、あっしゃァ遠く及ばず。意気地に足りず、瀟落に足りず、伊達に及ばず。今世、吉原ナキト雖(いえども)モ、齢(よわひ)ノ日、暮レテ、未ダ道ミエズ。なんまんだぶ、なんまんだぶ、だぶだぶ。

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コメント

moon3とおりゃの兄哥(あにィ)江

 江戸の通人は言ひやすな、振られるから遊びなんだトね。思い通りになったら、それは遊びぢやァなくて只の買い物だってネ。損得こえた達人の心境でやすねェ。
 兄哥、元とろうなんてお考えになちやァいけやせん。十露盤の帳尻あわすンは、商(あきない)になっちまいやす。

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