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2009年7月 3日 (金)

【番外】おとゝなンですの

 昭和の御代のこと、清純で名をはせたさる大女優が、かまぼこッておととゝなンですのッてのたまいたッてのがかまとゝの始まりト聞いた覚えがあるンだが、そいつァあやしい咄らしいゼ。こないだ手に入れた洒落本大成ッてへ書ヲうれしくってめえにちあっちこっち繰っちやァ拾い読みしてるンだが、そしたらこんなのにデッ喰わしたのヨ。まァ読んでくんねへ。
  五里(ゴリ)魚を古知(コチ)魚の子かいなといふ
   大学柄(ツカ)の人形をこのうち一つこれか(が)かはいらしいといふ類(ルイ) これをかまとゝ言といふ也
『會海通窟』ッてへ洒落本ヨ。寛保三年に京で板行サ。昭和のことぢやァねへ。書き手ハ姑蘇陳可僖。この名、コソチカキとでも読ませやふッてへ魂胆かねへ。外題のほうは、カイカイツウクツってへ腹積もりなのか、それとも洒落本、一筋縄ぢやァいかむ手合いだから、海に出会い窟に通ずト色を匂わせ読み取らせるンが狙いかもしれねへ。
  でヨ。辞書を手繰ったト思ひねへ。日本国語大辞典サ。そしたら、載ってゐたねへ。こんな風ヨ。近世末に上方の遊里で使い始めた語でとヨ。江戸がはなぢやァねへのが癪だがネ。そいでこふあるのヨ。人情穴探意裡外ッてへ洒落本なんだが、こふあるンだそうだ。「年に似合ずかまととばかり云ふお妾さん」こんな具合サ。
 で、五里魚ッてのハ鮴(ごり)のこッたらふ。だとすりやァ、かじかの仲間ヨ。かじかなら目のめえの谷川で獲ったンをその場で白焼にして、あつ\/に醤油をつけて喰ったがなんとも言はれねへくれへ旨かったゼ。古知魚ハ鯒(こち)かねえ。トなりやァこいつは海の魚だ。面(つら)ハおッそろしくまずいが、身は締まって純白。刺身によし、チリ鍋によし。醜男は旨いッて世に言ふのハこれか。

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コメント

洒落本の人情穴探意という本を探しています。どこかで読めますか。もし著者がわかれば教えていただきたいのですが。(社会言語学研究者)

moon3倉持益子 姐さん江。
さっそく手持の人情本集をお調べいたしやしよう。もふ鳥渡(ちよいと)お待ちくだせえ。

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