無料ブログはココログ

« 【番外】喜三二腰痛変化(きさんぢやうつうへんげ) | トップページ | 湯上徒谷中(ひとッぷろさんぽのやなか) »

2009年6月21日 (日)

【番外】「冷酒」 閑話休題(ひまつぶし)

_img  いよ\/蒸し暑くなってきやがった。となると、やっぱり暑気払いヨ。薩摩切子の義山(ぎやまん)で、冷酒だヨ。切子ハあっしとしちゃア江戸といきてえンだが、なか\/手にへえンねへ。なンですッてネ。江戸切子は色伏せしねえンだってネ。薩摩ぢゃ江戸から切子の職人引ッ張ってッて、そいで義山始めたさふだッて聞きやしたヨ。薩摩は色ンとこがすくねえほど高直(こふじき[※1])ださふだから、あっしのこれだって見らンねへやふんなもンぢゃアねえでやしょう。赤絵の瓢箪徳利、あっしゃこいつが好きでねえ。歳だね。赤絵が無性にいゝンだ。元気がでるッてのかネ。皿ン中に赤で寿なンで書いてあンのがありやしょう。あンなもん、口先筆先ッてえこたァ分かちゃアゐるンだが、そいでもうれしくなッちまうのヨ。歳ィとると甘ッちょるくなるもンよ。だから歳ィいってからのあすび(遊び)ハあぶねへッて言ふンだね。若い女(こ)に鳥渡(ちょいと)やさしくされりゃアいちころヨ。あっしなンか自慢ぢゃアなへが、若くなくったてコロリとまいッちまうヨ。
 冷や酒は躰に悪いッてのハむかしッから言ふネ。酒ッてのハ胃の腑ン中で躰とおンなじにあッったまってから、躰ァめぐるやふになるそふでネ。そいだもンで、酔がまわるめえに呑み過ぎちまふッてンで、燗して呑めェてえことらしい。でも、夏ァしゃッこい[※2]のが口当たりがよくってやめらンねえ。で、呑みやしょう。ついくい\/いッちまふ。結句(けっく[※3])生酔(なまよひ[※4])。態(ざま)ァねえヤ。
 ほんもンの酒ェ呑めえッて言ふがあっしも紛(まがい)ハ大の字付きのきれえヨ。焼酎ハ呑まねへ。若い時分にゃアちゅうッて言って、まともなもンは口にしなっかたネ。ほんもンの酒ァなンだッて言やあ、そいつア純米酒でやしょう。でも、本醸造ッてのもあるンだよね。これにゃア醸造用アルコールッてのがへッてえる。焼酎ヨ。そんなもんをなんで本ッて言ふかッてえバ江戸の終りン比(ころ。頃)酒に焼酎入れてたンだ。水増しヨ。米の値段が上がってしょうがねえンで、そいでこの手でしのいだッてえわけサ。それを今、江戸の比にやってたんだから正しいッてンで、本の字付きで名乗るのはなんかおかしかアありゃやせんかいッてあっしゃア思ひやすのサ。酒ァ米だけで造ンなきゃアね。

【附(つけた)り】
[※1]高直(こふじき)。高値、の意。江戸語。
[※2]しゃッこい。冷たい、の意。冷やッこいがさらに訛った言葉。江戸弁。
[※3]結句(けっく)。結局、の意。江戸語。
[※4]生酔(なまよひ)。泥酔。酩酊。江戸語。

« 【番外】喜三二腰痛変化(きさんぢやうつうへんげ) | トップページ | 湯上徒谷中(ひとッぷろさんぽのやなか) »

コメント

>酒ァ米だけで造ンなきゃアね。

この言葉、父がいつも言っている言葉です。

所謂ブランドのお酒でも醸造酒って多いですよね。

お酒好きの父が申すには、お酒はブランド名ではなく、味だと。

・・・などと書き込んでいる娘は、アルコールに弱くて、ほんのちょっとでくらくらきてしまいます。

ただ、弱いからこそ、いただくときには、本物の美味しいお酒をいただきたいと常々思っています。

いい色あいできれいな瓢箪形。染め付けよりも土ものよりも、赤絵にひかれる・・・ちょっと分かります。

お酒の温度をあれこれ塩梅するのも、呑み助の楽しみですね。
冷やしたものよりも、常温に近いのが好きかなー。この頃の冷やしすぎたお酒は味よりも冷たさだけで一気に飲めてしまうから、飲み過ぎてしまうしーー。

純米酒ですねーー。なんでも吟醸流行は野暮だし。

moon3ひよこ姐さん江

 おとッつァんハ分かってらッしゃるねエ。うれしいヨ。そふこなくッちゃネ。
 本醸造の本の字についだまされて、こいつが本もんの酒だなンで早合点しちまう手合いがゐるだらふねエ。罪な名ァつけたもンさね。

  喜の字  

moon3風知草姐さん江

 姐さんも。赤絵に惹かれてやすかい。やっぱり奥のふけえもんがありやすねエ。そいでいて、なんかほっとするンだなア。

 吟醸酒もいゝンだが、化粧しすぎてるやふな気がいたしやしてネ。あっしゃア純米酒の、コクのあるのに落ち着きやすねエ。

  喜の字

曽祖父つまりはトンでもねえ爺さんと2歳の私は奇麗なおべべのお人形さんでお座敷遊びのお供で上がって遊んでおりましたとさ 
食の細い子供でいつもお膳とにらめっこ 困り果ててお座敷遊びのお供とは口実で爺の悪知恵も好都合に 狐つりやら虎虎で飲めや唄えや大騒ぎで釣られてご馳走を頂くと言う企てです 爺曰く コメの酒さえ飲んでおれば何も食わぬよりましだ と赤い漆器の平たい杯に水で割ったお酒をついで飲み干せば やんややんやの大喝采 心配した母が迎えに来た時は、 お盆片手に 潮来のイタロウ~潮来笠を踊っていたと未だに語り草。 何も食べない子供だったけど、あなたはおコメのお酒で幼稚園まで大きくなったと感心しておりました 後から聞くには純米酒しか飲まなかったようです。
何はともあれお酒も曽祖父もありがたいことです。

え?すずめ百まで踊りを忘れず?? お後が宜しいようで。。。

moon3ぱら姐さん江

 いやァご立派。洒落たお曽祖父さんだねえ。ちか比(頃)は男が度胸なしになッちまって、そうした豪快なしと(人)ハいねえネ。お曽祖父さんハよっぽど姐さんが可愛くてご自慢で、どうしても馴染みのお色の方の姐さんがたにご披露したかったんでやしょうなァ。いゝお曽祖父さんぢゃァござんせんかい。うらやまし思い出もってらしゃるヨ。

 喜の字

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/127972/30211758

この記事へのトラックバック一覧です: 【番外】「冷酒」 閑話休題(ひまつぶし):

« 【番外】喜三二腰痛変化(きさんぢやうつうへんげ) | トップページ | 湯上徒谷中(ひとッぷろさんぽのやなか) »

最近のトラックバック

2018年9月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30