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2009年6月24日 (水)

湯上徒谷中(ひとッぷろさんぽのやなか)

 こゝんとこ愚図ついてた空も、けふ(今日)閏(うるう)皐月(さつき)朔(ついたち)[新暦6月23日]ハ昼から抜けるやふな青い空。これがほんとの五月晴れ[※1]。暑さハこの夏のいっち[※2]ながら、青い空に誘われて、千駄木駅でればそこハだんご坂下。日を背に受けて、上る三崎坂、柳の並木ハ風の波、打ちくる緑のその風を、白絣の袂に入れてのそゞろ歩き。ものゝ一丁か二丁行く、番所[※3]のちょい先、大福帳と記した招牌(かんばん。看板)が目にへえる。これぞご存じいせ辰[※4]ヨ。見世の善し悪しどこで観る。でかさで見るハ田舎者、佳と言えるハそのきっちりとぬかりのねえ佇まい。見世にゃア主の性根が隠しても表れるもの。目のゆきとどくことをでえじにすりゃア見世はおのずと小体におさまる。間口一間半ほどの小体な造りのいせ辰で、まず目ェひいたンは、藍の水面に白い帆散らした時期の手拭一本。もひとつ紅紫の菖蒲の花が咲き乱れる江戸団扇。包んでもらい、とって返して、番所前をもどりゃア丁度湯屋[※5]のゝうれん(暖簾)がかゝったとこ。もッけのさいわい、渡りに舟。がらりと格子明けて、湯銭偽銀番台にチャリンと投げ、さッと一浴び汗流し、ヘイお邪魔さまで通りまたいで菊見せんべい[※6]。こゝちの佇まいときちゃア思わず涕がでらア。江戸の商家の二階建。むかしゃこんなのがずらりと軒を並べていたンだが、いまぢゃア残してくれてありがとさんの大の代物。こゝで買わなきゃどこで買うッてものよ。あれとこれとゝ買わせてもらって、ハイあばよ。けふハ流れる汗のいちンちだったが、いゝ旅ィさせてもらいやしてゼ、お江戸さん。

【附(つけた)り】
[※1]五月晴れ。旧暦の五月は梅雨であり、その晴れ間を言う語。
[※2]いっち。一番、の意の江戸弁。
[※3]番所。交番
[※4]いせ辰。http://www.tctv.ne.jp/miyakyo/tenpo/kikujudoIsetatsu/index.html
[※5]湯屋。朝日湯。脱衣場の床がきれいで気分がいい。洗場な高い天井に昼下がりの光が反射し清々しかった。湯銭大人400円、手ぶらセット(タオル等)100円。
[※6]菊見せんべい。http://qppp3.exblog.jp/7884581/

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コメント

ああ、懐かしいねえ、そのガラスケースに煎餅の風情。
昔は近所にそんな木造の見世が並んでたもんだよ。
そりゃ、菊見せんべいさんほど、見栄えはよくねえがね。

最後に銭湯に行ったのも何十年前かなあ。
毎度島抜けする度に、ひと風呂あびにいくか、とおもうものの、曜日だの時間だのが合わねえ。
急いで行くようなとこじゃねえからね。
どうせいくならのんびりしたいものさ。

moon3ねこじゃねえやいのお玉姐さん江

 ふらりとへえる昼下がりの湯屋ッってのは、ありゃア極楽だねえ。洋式に天国ちゃァどうもさまになんねえ。やっぱり極楽ヨ。姐さんも可哀相だなあ。

 喜の字

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