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2009年5月21日 (木)

大江戸謎十一屋(おほゑどなぞのじゆういちや)

 生れは江戸と言ッても場末ト鼻ッつァきであしらわれた麻布の産。めぐる歳月花もみず、いまぢゃアしがねえ都落ち。馬糞ゆかしい練馬の果て。吹き来る風も大根の、ひりゝトしみる田舎風、大川懐かし汐の香恋し。そんな在にも江戸所縁(ゆかり)、なんやらおもえる酒屋が一軒。その名も不思議、十一屋。このかずえ、なんの数字か謎のまゝ、分からぬまゝにはや五十年。気にしてあるきゃア江戸古来、あすこの町に一軒こちらの通りにまた一軒、おなじ名みかけるお店(たな)の名前。こいつァ急度(きっと)由緒あるはず。そんなあっしの狙いたがわず、けふ読みし三田村の、とびうおぢゃあねえ鳶魚(えんぎょ)先生の「市井の風俗。その一章「時刻の話でその長年の、謎が娘十九の春の帯、はらりと解けたッてェありがた咄ヨ。鳥渡(ちょいと)ひいてしんぜやふ。
「ちよつと『兜軍記』を引繰り返して見たら、『朝七つから店出して、夜の四つに店仕舞、七つと四つの時を合せて十一屋と申します』といふ饅頭屋の文句がある。ト旦那書いてござる。これで合点。こいつァ洒落てらア。真ッちょうめんに屋号つけたんぢゃア曲(きょく)がねえッてあすぶ(遊ぶ)の芸当。見上げたものよ。朝七ツと言やャあ、立夏(新暦5月5日)過ぎのいま比(頃[5月21日])でもまだ真夜中みてえな午前2時半比。夜四ツは10時じぶん。とんでもねえ働きもんヨ。畏れ入谷の鬼子母神だってへばろうッてもんダ。
 数に洒落た屋号なら、上野池之端の櫛や十三屋。いまさら絵解きも野暮なくれえに名高けえが、九と四と足して十三ヨ。もうひとひねりしたのが浅草伝通院通り、よのや。こゝも櫛やヨ。くしハ苦死で縁起がわりい(悪い)ッてんで、ひぃふぅみぃよぅトかずえてよトしたッてえあんべえだらふ。よハ与と書いて、縁起佳しとしたからネ。四段重ねの重箱なんぞハ与の重とよびやすもんナ。屋号ひとつ、ひねってあすぶとこが、洒落好きの江戸らしくてよござんしょう。あしゃア好きだねえ。

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コメント

なるほど
7-11(セブンイレブン)のようなネーミングは
随分昔から考えられていたんですね~。

moon3地引家楽團の兄哥(あにィ)江

 おッとォ、7-11かァ。兄哥に一本とられたゼ。こいつァ気づかなかった。あっしとしたことがッてェしくじりダ。

 喜の字

あ、先にいわれちまった(爆)

そういう遊び心のねえ、角にあるから角屋なんてえのが、たいていの通学路にひとつはあったねえ。

駄菓子屋はジジババなんて呼ばれてて。
毎年新入生から「紫ババア」のあだ名を奉られる女教師とかね。だいだい、むらさき。おや、なんか典雅だね(笑)

moon3ねこじゃねえやいのお玉姐さん江

  江戸は洒落の地だからねえ。酢屋の招牌(かんばん)に、竹で編んだ簀をぶらさげたのがけっこうあったらしい。簀は簀巻きの簀だが、酢にひっかけてんだそうでネ。よそもんにゃあわかんねやネ。

  喜の字

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