無料ブログはココログ

« 【番外】恋の大川迷いの月 | トップページ | 【番外】川柳ひとり柳戯溜(やなぎざる)(五) »

2008年9月 2日 (火)

【番外】川柳ひとり柳戯溜(やなぎざる)(四)

   しゃらくせえ かミがたはもに ゑどゞじょう

  今年の夏ァ暑かったねェ。あっしァへばったゼィ。で景気づけに駒形どぜうへ行きやすトめえに幟が川風にはためいおりやしてネ、どぜうの季節だったかなんだかゞが染め抜いてあってサ。あっしァ思ったネ。確かに泥鰌は夏のもんだし、うめえし元気がつかァ。でもそんなもん喰ってるから、上方の生ッちろいやつらに小馬鹿にされちまうのヨ。やつらァ鱧だゼ。あの真ッちろの花の咲いたような洗いの上ェ真紅の梅肉落して、おいしいおすなァなんてほざきやがって。てやんでえ、べらぼうめ。あっしら江戸ッ子ァ意気が命なんだ。暑いときにァ暑いもんが体にァいゝとむかしッから決まってるンだ。だから炭ィかん\/おこした炉の上でぐつ\/どじょう煮て、あふ\/言ひながら汗ェ流して喰ふンでイ。我慢大会ヨ。ざまァみやがれ、くやしかったら鱧のぐら\/鍋やってみやがれッてんだ。

   すゞむしの音(ね)に清められる娑婆の熱

 お人ンとこ訪ねたら、小さな金の鈴をふるようないゝ音(ね)が部屋のすみから聴こえてくるぢァござんせんかい。なんか蒸すような道ィ歩いてきて火照ってゐた体から、すッと熱が引くよふな気ィいたしやしたゼ。いゝもんだねェ。いまの世の中、ろくなことがねえし、金に目ェくらんだやつやすさんだ者ばっかしだが、このちっせえ虫一匹、まるで涼やかな観音さまみてえなもんヨ。心が洗われるッてのはこうしたことなんでやしょうねェ。今年ァいゝものを聴かせてもらいやした。少し生きる気がしてきやしたヨ。

« 【番外】恋の大川迷いの月 | トップページ | 【番外】川柳ひとり柳戯溜(やなぎざる)(五) »

コメント

ふふふ、おかしい、
この日記を拝見しましたら、喜三二さま、
『鱧が喰いたくて 仕方ねぇ』って読めましたわ。
ごめんなさい。

鈴虫、最近じかには聞いておりませんわ。
どこかに虫の音を探しに行ってみようかと思う今日この頃です。

moon3おあやのお内儀さま江

 梅肉の酸味ィ思ふだけで、口ン中につばきィわいて涼しくなりやねェ。
 日本人ッてのは不思議ですナ。けっきょく旨いもんト言ふと、ほとんど味のねえようなもんに行きついちまう。鱧、ふぐ、豆腐、湯葉、さしみこんにゃく、そうめん、ひらめの刺身、まだ\/ありやしょうねェ。
 どれもこれも傍からみたら、味なんかねえようなもんばっかしだゼ。どういう根性してンだか、あっしら日本人は。

  喜ンの字  

あら、ホントですね。
おっしゃる通り、味の薄い、味があまりないものを
色々なつけダレや薬味でいただくのが日本人の好みなんでしょうか。
それとも 歯ごたえや舌ざわりを楽しむのが好き?

moon3おあやのお内儀さま江

 歯ごたえ、舌ざわり、これらも日本人はえらく大事にいたしやすねェ。
 先にいろんな食べ物挙げてなんかでえじなもんが抜けてる気がしておりやしたンですが、文ィいまいたでえて思ひだしやしたヨ。白飯。こいつが日本人のいっち好きなもんなんでやしょうネ。米ェ食べる民族は世界にァたくさんおりやしょうが、白い飯だけ食べるのはあっしらだけでやしょう。みんな濃い味ィつけて食べておりやす。あっしらハどうやら世界の変りもんだヨ。

 舌ざわりで言やァ愛蘭(あいるらんど)人のだちがおりやして、それが仏蘭西人を連れてきたことがありす。そんとき運よくとらやの夜の梅があったンで、煎茶を添えてだしてやったンだが、あいるらんどは勘弁してくれッてのヨ。なんだかわかんねえがこのテクスチャが駄目だってのサ。歯ににちゃつく感じがどうにも我慢がなんねへらしい。夜の梅も形なしヨ。ふらんすのは、平気の平左。あいるらんどが、この人はなんでも食べるッて言っておりやしたンで、食べ終わったとこで旨かったかいッて訊くと、英吉利のチーズより旨いだとサ。上手いこと言ふヨ。日本人はとっさにこれだけのこと言える奴ァいねへヨ。とりわけ政治家に。こうでなきァ外交なんてものはできねへわサ。

  喜ン公 

ご無沙汰いたしておりやす^^

>我慢大会
まさに左様で!
逆に言やぁ 意地っ張り^^
意気地こそ江戸っ子の証でやんしょ^^

つまんねぇとこに 意地張っちゃうんすよね~^^;

少しばかりだなんて仰らずに まだまだ長生きしていただかないと!
せめてあっしが陶芸で一本立ちできるとこを見届けておくんなぃ^^

moon3絵付師の姐さん江

 そう、意地ィはってそれをハリにして生きるのが江戸ッ子ってェ奴でしてネ。莫迦ァみてえだが、それがねえと損得で動く賤しいやつになりさがりやすからねェ。そんなとかァ貧乏に貧乏かさねて、そいでも歯ァくいしばって二百六十年も将軍さまの尻もちしてきた旗本だの御家人の生きざま身近に見て生れた江戸ならではの根性でやしょうねェ。
 こんな損な生き方、田舎に行くとありやせんヨ。みんな腹ン中に十露盤もってやがってネ。知らん顔しながら、腹ン中でパチパチ弾いていやがる。やだねェ。
 マ姐さんも、いゝもん造って、一本立ちになっておくんなせえ。

  喜ンの字

マイミクさんの日記に、到来ものの鈴虫の籠の音に猫ちゃんが恐れをなして一晩家出したというのがあり、微笑ましく読みました。

開け放って集く虫の音に耳傾けるだけではなく、なかでも美声の鈴虫を籠に入れて身近く聴くことを思いついた古の人々をはるかに思います。
いろいろなことが変っても、籠に意匠を凝らして鈴虫を愛でてきた、そんなイメージの共有が、絶えずにちゃーーんと続いているんですものね。

ことしはまだ、鈴虫の音を聴く機会にめぐまれません。

moon3風知草姐さん江

 ねこに鈴虫ッてわけだ。あっしンとこの猫介がまだ生きてた時ぶんなんか、蝉だって蜘蛛だってとっつかそえりァ一口で喰っちまいやしたもんネ。まるで風流ッてもんが分かっていねへ。
 外人さんてのは、虫の音聴くとうるさい雑音だとおっしゃるらしいネ。外人さんの本性は、まさか猫ぢァねへよネ。

 喜ンの字

あぁーー、その緯度の高いところに生息の外人さんと虫の音について書いた本(新書だったような)を読んで可笑しくてたまらなかったです。って、外人さんがじゃなくて、わたしのことなんです。
北緯40度以北の札幌育ち。子供の頃は夏休みに父の故郷静岡で外の虫の音がなんだか分からずコワくてたまらなかったんです。札幌では「集く」賑やかさが弱いような。
東京で暮らしはじめたころ、いやいまだに、いえ今夜も「あ、あれは虫の声」と自問自答しちゃうことがあります。
わたしの本性、もしかしたら猫かも・・うふふ。

moon3風知草姐さん江

 そうかァ、緯度が関係してンだネ。寒いとこぢァ確かに虫ァ生きてらんねえもんナ。
 脳の学者や国語の音韻論の学者はやゝっこしい説明して合点させようといたしやすが、姐さんの言ふ緯度が高いと虫の音は聞き慣れないッてのが、もっとも納得ですナ。
 ところで、姐さんの本性は猫ッてのは、色ッぽくてよござんすネ。女子衆(おなごし)さんはそうでなくちァいけねへ。

  喜ンの字

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/127972/23430084

この記事へのトラックバック一覧です: 【番外】川柳ひとり柳戯溜(やなぎざる)(四):

« 【番外】恋の大川迷いの月 | トップページ | 【番外】川柳ひとり柳戯溜(やなぎざる)(五) »

最近のトラックバック

2017年1月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31