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2008年8月19日 (火)

【番外】耳保養

 陽気のせいか、こゝンとこ腰痛がひどくって座ってンにも難儀サ。ふくらはぎがうずいてしょうがねえ。いらつくもんだから、拳で太股叩いたり、ふくらはぎ揉んだりしたが、てめえでやって治るもんぢァねへ。その上ながびく暑さにへばってすっかり青菜に塩ヨ。で、牛込柳町に療治の兄哥(あにぃ)がゐるンで、おすがりしに行ったと思ひねえ。
 このお方ァ合気道のお人でネ。こういう人はなんだね。強がらねえヨ。静かなもんよ。そいでいて、躰にも気持にもぴしッと筋が通っておりやすネ。
 どうやらあっしの痛みァ冷えからきた座骨神経痛のようサ。なにぶんにも十四年も涼しい八つのお山で暮らしてきて、舞い戻ったこのお江戸で久々の蒸し暑さにデッ喰わしたもんだから、冷房三昧の日々ヨ。それが元になったみてえとなりァしけた咄だが、こらえらンねえものは仕方がねへ。で、半時の余も療治してもらって、いざけえろうと思ったら、金の鈴を転がすような澄んだ音色がするぢァねえか。なんと、鈴虫を飼っておいでヨ。しばらく聞き惚れやしたネ。心ォ洗われるようたァこういうことだねェ。で、駄川柳一句。

  すゞむしの 音に清めらる 娑婆の熱

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コメント

島に流されて来たときゃ、地元民が暑い暑いってのを、何を寝言言ってやんでえ、これしきぁ夏のうちに入らねえや、なんぞと憤ってたもんですが、近頃ぁすっかり慣れちまって、ちっとばかしうだるともう あごがあがりやす。

そんかわり、寒い方は用意万端。家でも出先でも、いつでも重ね着できるようにしてあらあ。あたしゃ寒がりでござんしてね。島の朝夕は夏でも冷え込むんでさ。

なんにしろ、過ぎたるは体によくねえってことですかえ。うちにゃ冷房は無いが、地下室が冷やっこくておすすめで。縄文人の竪穴式、あれもそうそう捨てたもんじゃありやせんぜ、どうも。

moon3ねこじゃねえやいのお玉姐さん江

 おゝさぶいッてつぶやいて、いゝ女が衿ン中に首ィすぼめてる図なんてのは、思ったゞけでも豊国あたりが浮世絵にしそうなくれえ仇っぽいゼ。
 あっしらの先祖の縄文人てのハ聞くとこによりァずっと北から下ってきたそうだから、この島国の蒸し暑さに閉口して、縦穴掘って暮らしたンだろうナ。ところがいまァ逆よ。江戸の浜のあっちこっちで、天目指して高く高く建てゝらァ。もうじきてっぺんが火傷するゼ。

 喜ンの字

いかろす、みてえなはなしだね、こりゃ。

かな書きだと、イカの干したのみてえな名だね。すてれこじゃあるめえし。

落語なら、うめえ落ちがついて一件落着だが、ものほんの縦長屋じゃあ、地震で一巻の終わりッて気がすらあな。

くわばらくわばら。

moon3ねこじゃねえやいのお玉姐さん江

 ほんにサ。建築屋ァ建てやりァおしめえ。不動産屋は売りァおしめえ。尻ァ買った奴に全部来るンだが。それまぢァ高みの見物いゝ景色ッてことなんでやしょうねェ。大揺れくりァてれすこてんてん。跡は瓦礫の焼け野原ッてネ。関東大震災も焼け野原、東京大空襲も焼け野原。そのずっとめえのお江戸も、三四年にいっぺんは焼け野原。飽きもせずくりけえしだねェ。あっしもそんなかの一人ヨ。

 喜ンの字

あは、てれすこだよ。スカテンなのはあたしのほうだ。これだから島流しは困るよ。

スカテンじゃねえな、なんていうんだっけかねえ、脳みそがすっからかんのやつのことは。

ちぇっ、三日もすりゃ思い出すかな・・・。

moon3ねこじゃねえやいのお玉姐さん江

 脳味噌すっからかんの奴かい。そいつァあっけらかんとハ違うかい。それとも浪速で言ふスカタンかい。
 こういうのッて全然関係ねえ跡(後)で突然ひらめいて出てくるンだよナ。あっしも出たら、文ィ送るワ。

 喜ンの字

スカテンだろうなあ。

翌日おもいだしはしたが、この文がどこにあったかすっかり忘れちまっててね。しかも、この言葉もどうもぴったり来ねえな。老化も加速されてんだろうよ。こまったもんだ。

moon3ねこじゃねえやいのお玉姐さん江

 すっからかん(素空漢字)、すっとこどんこい、どっちも違うかい。すっからかんは銭がなくて空っぽッてとき使いやすネ。素寒貧の野郎のことだが。
 すんとこどっこいハこの間抜け野郎、馬鹿野郎なんてえ時にいゝやしょう。
 すかたんは、江戸でも言ってたらしいし、元は芝居者の間の詞ァらしいネ。
 こっちも勘がにぶってきてるから、姐さんのいわんとするとこがぴんとこねえですまねえ。
 思ひ出したらもまた、文ィ入れてくれヤ。

 喜ンの字

おっとまちげえた、すかたんよ。でえぶヤキがまわってるぜ。すまねえな。

すっとこどっこいはいつものこと、買い物の後ぁかならずすっからかんさ。

このごろまともな本を読んでねえからなあ。今年ぁまじめに読書の秋と参りませうか。

moon3ねこじゃねえやいのお玉姐さん江

 やっぱ、すかたんだったかい。よかったゼ。これで姐さんもぐっすり眠れやしょう。
 買物するとすっからかんになるは、いずこもおなじ秋の夕暮れッてやつサ。どうしてお金ッてのは、来るときァ遅い癖に逃げ足ァはえへな。きっと相当な臆病もんだナ。

 まともな本なんぞ読まねへ方がよござんすヨ。乙に澄ましてしゃっちょこばッてるのが、高尚でございますッて面してンのがいけねへヤ。あっしァ小説なんぞ、命の残り時間がもってえねへから一斉読むのやめちまいやしたゼ。

 喜の字

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