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2008年8月26日 (火)

【番外】川柳ひとり柳戯留(やなぎざる)(一)

  しかつめらしき俳句よりにやりと穿(うが)つ川柳に、ぶらねえ江戸の洒落がある。金々嫌いの江戸ッ子が、和歌の俳句のとあがめたてまつる上方文化トさらりと別れ、本音ェ吟じて笑って生きる。これぞ意気を芯にハリで世間を渡るきゃん(侠気)で粋な男伊達。宝暦全盛、幕末までに江戸の本に載った川柳その数ざっと二十万句を越え、これぞ句作。大浪小波打ち寄せる砂のつぶか星屑か、選者柄井川柳(からいせんりゅう)選びに選んで書に著したハその名も名高き柳多留(やなぎだる)。柄井亡き跡(後)代を重ねて幕末まで、版行合わせて百六十七篇。それゆえついた句名がかの川柳。てまえ喜三二畏れも知らず、たったひとりで句作を連ね、大向うを張ろッて算段。見上げたもんだよ屋根屋の褌。志は高けれど底は抜けたるさまなれば、こゝに名付けて柳戯留(やなぎざる)。サテいかゞ相成りますことやら、ご喝采。

  秋もそろ\/初ッぱなのひと月が終わろうッてのに、雨ばっかし。すっきりした月を早く拝みてえものサ。で、まず一句、洒落てみやした。

  名月に 障子をとざす かるた舟

(※かるた舟。江戸語。中でカルタのめくり博打をしている屋根舟などをこう呼んだ。博打はご法度なので、陸では捕まる。そこで、大川(隅田川)の脇の水路などでやっていた)

 むかしをとこありけり。在原業平と言えば、色男。かず\/の浮いた噂で知らぬ人なし。ついに帝の想い人に懸想して、京の都にいられなくなり、草深き東の国へ落ちて来たそうで。

  業平は 東下りで 蜆喰い

(※浅草の吾妻橋で浅草川(隅田川)を渡って東へ進むと、すぐに小振りな橋を渡る。業平橋。その辺の水路で採れる蜆を業平蜆と言って、江戸で一番の味と有名だった。なぜ業平が蜆を食べにようになったかは、言わずもがななり)

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コメント

 秋の夜長、物思いにふけるか、興じるか・・・

 法師には思い嘆けと月の云い

 あのよろし菊花めくりて坊主待つ


 甲斐の国から東上り

 ここに今業平おわす文を書き

 

moon3仇吉姐さん江

 萩に牡丹か、紅葉に鹿か、上る満月坊主の出番。あり金はたいて、一発勝負。けふも取られた旅衣 着つゝし馴れにし妻しあれば はるばる来ぬる 旅をぞ思ふ。
業平朝臣もめくりカルタに熱ゥ上げてりァ蜆の世話にァならぬものを、あたら美男に生れたばかりのお可哀相。命取り様は女子衆(おなごし)へのほめ言葉。業平ばっかしァ男でも命取り様、打つゝもりが返り打ち。なんの蜆のかんばせなかりせバ。

喜ンの字

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