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2008年6月23日 (月)

【番外】徒然草に表裏有

 兼好の名聞きて徒然草を挙げぬ者あらざらむ。是を以て風流を会得したかの如し。余、此処に第一段の初筆を掲げむ。吟味すべし。つれづれなるまゝに、日ぐらし硯に向ひ、心にうつり行好色のよしあしごとを、そこはかとなく書きつくれば、をかしうこそ物ほしけれ。この連なり、兼好にして兼好にあらず。法師の徒然草、鎌倉の御時末に成立せり。されど室町の比省みられること少なし。塵芥の反古紙に身を窶し好事家の書架に眠り、物見えぬ人の襖の下張りと化す。しかるに慶長三年徳川幕府開府に端を発し、何故か時花となりぬ。世の流れいとをかし。模作多く産ずる。されど本歌取り、狂歌、川柳の洒落の筆法たらんとするものにて、賤しき贋作にはあらじ。兼好の徒然草書き出し、僅か好色の一字加えるのみにて咄の本筋を表より裏へ軽々と切り返したる者こそ、江戸新吉原江戸町一丁目結城屋又四郎来示その人なり。稼業くつわ也。外題『吉原徒然草』と号けん。本歌に表されたる二百四十三段全段に合わせ、巧みなる文技にて段ごとの題活かし、軽妙なる運びを用い、北州の機微を明かす。をとこトをんな、よねと客、廓と娑婆、地獄中に極楽有、極楽中に地獄有の様、野暮と通り者、千句の諺顔色失うごとし。深き心にて察し、人の世の如何なるものかを知り得ることたがわず。こゝに熟読すべ書在ることを知らしめ、江戸の色の道の深みを探索す手だてとされんことを願ひ蔵書庫の扉を明けんとす。

【附(つけた)り】くつわ=遊女屋。遊女を客を乗せる馬と見立て、その馬の轡を取って自在に扱うところからそう称するか。となると浅草寺東側を吉原へ向かう道を馬道と称したのは、馬の里へ通う道との意味もありしか。丸に十字を描く紋を轡(くつわ)紋と言ふ。殿の馬の轡を取る家柄の者の紋たるか。北州=新吉原。北国、北里等とも呼ぶ。江戸の北に位置した故。品川は南、深川は辰巳と称した。よね=遊女。

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コメント

古今東西 人の世の渡る世間の裏表
知るは極楽 知らぬも極楽
知っても蜻蛉のすいすいと 飛ぶ様を勝ち虫とは、言いえて妙。
さて花の都はグレートブリテンのシェークスあんどピアの旦那様もその台詞に裏は表 表は裏 地獄は天国 天国は地獄と相反するお言葉をテーマに themeとは the meの事なりしか?
人の心は相反しても自由。両極有って行き来出来るを精神の自由と教へ賜いしか。
中庸を行く道行をも この世の土産に見事あいつとめやしょう。退屈ナンテしてられやしませんって ね 旦那。

moon3ぱら姐さん江

 ほんにこの世は気の持ちやふ。明るいと思やァ明るいし、くれえと思やァ真ッ暗サ。地獄極楽自由自在。一寸先ァ誰にも分かりァしねへ。どんと腹ァ据えて行くッきャありやせんネ。

 喜ンの字

ほんにねえ、下ばりだの反古だのって、蔵の整理なんぞする時にゃあ「絶対に御呼びください、どんなものも捨てる前に私どもにお見せください。連絡時即参上」って、骨董屋のチラシがしつこく文箱にへえってんのは、伊達じゃねえ。こんなくずが、ってのに限って、重要文化財だったり希少本だったりするもんで。

まあ、うちにゃ蔵なんてねえから、うっかり捨てちまう心配もあるめえ。おっ死ぬ前に、稼いだモンは使うがヨシさ。

moon3ねこじゃねえやいのお玉姐さん江

 ほんに目ひとつヨ。気がなけりァどんなお宝も只の塵サ。八つのお山からお江戸にけえってくるときに、本蔵一つまとめて引き取っておくんなさるお方がいたんで、後ろ髪引くもんもあったが、未練断ち切ってすっかりお渡しいたしやしたゼ。へんに気ィ残してると、いざッてときにあの世へ身軽に行けねへもんネ。
 てめえの働きで世間からいたゞいたもんは、きれいさっぱり使って世間さまへお返しするが礼儀ッてもんでやしょう。へんに溜めると跡のもんの根性に蛆が涌かァ。

 喜ンの字
 

 

そりゃまたずいぶんと江戸っ子だねえ。
蔵いっぱいの書物やら骨董やら、きっとこれからたくさんの方々の目を楽しませてくれやしょう。
豪儀に陰徳積んだよ、師匠。

moon3ねこじゃねえやのお玉姐さん江

 意地とハリなんてェ言ひやすからねェ。思ひッきりァよくねえといけねえヤ。
 トかっこつけても、もともとの空ッけつ。お目汚しになるやふなもんさえもう残ッちァおりやせんのサ。

 喜ンの字

なあに、大事なもんはあにいの頭ん中にぜんぶおさまってまさぁね。

ところで頭蔵の鍵は酒かい、それとも色かえ?

moon3ねこじゃねえやいのお玉姐さん江

 頭の蔵もちか比(頃)だん\/霞がかゝってきていけねへヨ。
 そんなおんぼろ蔵だが、鍵の仕掛けとくりァ言ふまでもねへゼ。色仕掛けッて詞ァ在るくらいだからナ。

 喜ンの字 

師匠もまだまだ枯れてないね、隅に置けないねえ。

ま、江戸っ子なら金たぁ云わねえとは思ったが、あたしならそっちだよ。番茶も出がらし、大々年増にもなると夢がなくていけねえ。

moon3ねこじゃねえやいのお玉姐さん江

 なァに、躰ァ枯れてもこゝろァ艶ヨ。
 姐さんも、使い切った茶殻ぽんと捨てゝ、新しい色香たゞようお茶の葉に入れけえナ。をんなの実正(ほんとう)の華ァはこれからだセ。

 喜ンの字

嬉しいことを言ってくれるじゃないか、これだから師匠への付け文はやめられないよ。

艶ってのはいい言葉だねえ、人生経験積も豊かになった頃に、いい色艶が出るんだろうねえ、銘木みたいにねえ。

皮付きの赤松の床柱だの、那智黒の磨きのかけたみたいな人間になりたいもんだよ。

moon3ねこじゃねえやいのお玉姐さん江

 銘木たァいゝことお言ひだ。ほんにそうサ。人もゝまれて使い込まれて味がでるッてもんヨ。皮付きの赤松の床柱だの阿智黒だの、姐さんも島ァ流しておくにァもってえねへお人だゼ。どっかの小間で茶ァ点てさせてえネ。数寄屋の粋(すい)をご存じの方だねェ。

 喜ンの字

そりゃ買いかぶりだ。こちとら世田谷村でガキの頃から竹竿振り回して界隈をほっつき歩いてたような山猿よ。おかげで半鐘泥棒みてえな上背に、足袋や泣かせのデカ足よ。小間の畳なんざ踏み抜いちまわあ。

どうせならね、明るい広間の、風っ通しのいい座敷の、縁側のたっぷりあるようなとこで、猫とじゃれながらスイカの種でも飛ばしっこすんのがいいやね。

moon3ねこじゃねえやいのお玉姐さん江

 半鐘泥棒みてえな上背ハよかったねェ。自分を斜(しゃ)に見て笑えるのは、洒落が判るお人だヨ。野暮はてめえを偉そうに\/見せたがるからネ。

 いゝねえ。縁側に座って足ィぶら\/させて、西瓜のたね青空に向かってぷッてほき出してナ。昔ァそんなどこにでもあった家がいまァなくなっちまったもんなァ。寂しいッて言やァ寂しいが、これもご時世ッてやつかネ。
 姐さんや杉浦の日向子師匠ぢァねえけれど、あっしもそんな縁側の柱にもたれて、ぽわッと烟管のけむ(煙)でもはいて、欠伸の稽古でもしながらのんびり暮らしてえなァ。

 喜ンの字

今どきは、忙しくしてねえと、人の価値がないみてえに思ってる奴が多いから困らあ。

ほんとにでえじなお役に就いてたり、身代こさえたお人は、休みに呼び出されたりしねえから、携帯電話なんてモンを後生大事に持ち歩って、あげく人様の前で大声出して忙しいフリしなくていいってんだよ。

んとに、あくびと昼寝の稽古で日がな忙しい身の上になりたいもんだよ。

moon3ねこじゃねえやいのお玉姐さん江

 まだ携帯が出始めた比のことヨ。あっしのだちが満員の山手線の中で、でっけえ声で手形が落ちねへンだと喚いてる奴に出会ったそうだ。ところがそいつに何日かして出会った。相変わらず電車ン中で、手形が落ちねへッて携帯で喚いてる。よっぽと金繰りが忙しい奴なんだろうが、なにも満員電車ン中で宣伝しなくッたってよさそうなもんだトあきれておりやした。
 とかくこの世の苦労は、金と異性。金はなくて苦労するが、異性はあると苦労する。
 ハハ、暢気だねえ。

 けふも風邪の微熱でお昼寝三昧の 喜ンの字

おや、昼寝三昧はいいとして、微熱たあ穏やかじゃありやせんね。ゆっくり養生しておくんなさい。返し文なんぞいりやせんぜ。

それにしてもケツに火のついた野郎だね↑のお人は。なんでも出ばなに買って、自慢したがる奴はいるもんだが。
昔、ふぁくしみりが出た時、やたらと地図だの書類だのを送りたがって、こっちに機械がないってんで、あからさまにがっかりする輩がいたねえ。

少し前まで、電子めえるに、かーなびッつうのがそれだったような。次はなんだろうねえ。忙しいこった。

moon3ねこじゃねえやいのお玉姐さん江

 いま朝飯跡(後)の昼前寝からのお目覚めヨ。まだ鳥渡(ちょいと)ぼんやりしておやすがネ。

 ちか比(頃)テレビぢャワンセグ\/ッてうるせえほど、新しい懐電話の宣伝しておりやすが、あっしにァそれがなんだかまったくわかんねえ。面倒だからわかりたくもねえネ。こゝら辺で世間様たァ足並み変えさせてもらうつもりヨ。せわしなくていけねえ。

 喜ン公

そういやぁ少しめえの師匠の文に、あっしと日向子弁財天を並べて同じ行に書いてくださいましたねえ。
果報すぎてめまいがして、お礼を言うのをすっかり忘れてましたよ。

ほんに、日向子大明神はお江戸で今頃何を「しないで」いるんでしょうねえー。

ワンセグの意味が分からねえが、てれびを出先で見ることが出来るってのがそんなに大事なら、街角にも昔あったんじゃないかえ?

力道山なんかをみんなで見てさ。袖すり合う他人様と一緒に、声援の掛け合いなんぞしながら、楽しかったんだろうねえ。井戸端みたいなもんでさ。

moon3ねこじゃねえやいのお玉姐さん江

 なァに礼にァ及ばねへヨ。日向子師を弁天さまと呼ぶのはいゝねえ。気に入ったヨ。あっしもそう呼ばさせてもらいやすヨ。ついでッて言ちァ罰ィあたるが、お姿は拝ぢァいねへが姐さんもあっしにとっちァ弁天さまサ。こうして文ィ投げ込んで無聊を慰めて下さるだけでも遠くから拝ンぢャいやすゼ。

 日向子弁天ハいまごろきっとお江戸の寮で、暇ァ持て余して閉口しなすってるンぢァねへですかねェ。多葉粉も呑み飽きた、欠伸修業も免許皆伝された、酒も食べ飽きた、船遊山も乗り疲れた。なんもやることねへッてんで、気がついたら蔦屋あたりに口説かれて絵草子なんぞ書いてるンぢァありやせんかねえ。
 人間万事貧乏性。やっぱりこそ\/なんかやッてねえと落ちつかねへ。 

 喜ン公
 

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