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2007年11月13日 (火)

山隠大江戸帰参(やまぢゞいはなのふるさとがへり)

 指折りかずえりャ両の手を、二度繰る三七二十一年間、柴折伏し住処とし、馴れ親しんだ八つのお山と後朝(きぬぎぬ)の、別れも惜しいこの月の、二十三ンちを限りとし、吾が垂乳根(たらちね)の大ゑどへ、いざけえりなん大(だい)覚悟。江戸ッ子修業のこの身なら、至極当り前田の里還り。生まれも育ちも江戸の在。どう間違ったか山住まい。町にあって隠遁を、市隠と呼ぶなら山隠の、その真似事に秋の空、流れる片雲つかめえて、ひょいとたどって甲州路、つづら折やら道なき道の、笹子峠に小仏や、高尾の里の谷抜けて、人気(じんき)沸騰甲駅(こうえき[※])を、過ぎて四谷の大木戸で、懐かし江戸の風浴びて、藍に染め行く辰巳の空に泗(なみだ)して、やっぱしあっしァ江戸の生まれの、小僧の成れの果て。背中に彫もんのかけらもねへ、意気地なしのぢゞいだが、五体をめぐるこの血潮、誰にも後ろ指々させねへ、おっちょこちょいの江戸もんの、軽佻浮薄の末裔と、観念定めた江戸修業、ずいと重ねて花咲かせ、あの世とやらへ随徳寺、どこまで見事な江戸っ子振りに磨けるか、仕上げは御覧じろの気構えで、戻って行きやす江戸の町。それまで鳥渡(ちょいと)筆休み。引越し騒動落ち着くまでのご無沙汰を、御(おん)願い奉り、あら\/かしこ。

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