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2007年9月11日 (火)

江戸者、八ヶ岳で上方にデッ食わす

 おとついのことヨ。あっしが巣ゥくう町に大坂くんだりからはるばる野を越え山越えの長の道中で落語家と講談師が来たト思ひねえ。噺家ハ笑福亭たまト桂三風。講談師ァ旭堂南湖ッだそうで。あっしァ江戸もんだから、上方は不案内ヨ。ご無礼ながらこのご三方ァ初見参サ。たまッたって、猫やぢァねへヨ。今日びァ娘義太夫ならぬ娘噺家ッてのがたまにゐるから、その手合いかと思ったら意気のいゝわけえ男ヨ。どなたさまが師匠か知らねへが、なんだぜ。分かりにくい芸名つけるぢァねへか。いっそ、たま三郎ッてつけてやりァわけえ娘から大年増まで黄色い声張り上げて集まろうッてもんヨ。 町の商人(あきんど)の旦那衆三十九たりが束になって、点札(ぽいんとかーど)の会ッてのつくっておりやして、そこが呼んだンだッてへから豪勢ぢァありやせんかい。木戸賃ハなんと野口の博士さまお一方で結構ッてェ太ッ腹ァ見せておくんなすッたんで、そいぢァ鳥渡(ちょいと)ご馳(ち)になりに行きやしょうかと巣穴から這い出したッてェ訳サ。 あっしァこう言っちァなんだが、お江戸へ行ったり寄席で遊ばせてもらふときァいつも着流しヨ。それが江戸ッ子修業の身の礼儀だと思っておりやすんだが、なんせあっしが隠れ住んでるとこァ田舎ヨ。夏とは言へど片田舎ッてのハ壺坂霊現記だが、こちとらンとこハ自慢ぢァねへが本田舎ヨ。着流しで暮れ六ツ時分に歩いて見な。怪しいのがとほる、戸締りしろッて騒ぎになっちまふゼ。デ野暮ゥ承知で洋装と決めてのお出ましと合いなったッてわけサ。 噺の会は名題を、上方爆笑落語会。どうでえ、分かりやすいだろふ。笑わねへト叩き出すゾって気迫があふれていやしょう。笑え、この野郎、ざまァみやがれッてんだッて気合ヨ。席亭ハそういふことで町の旦那衆だが、建物としての席は駅前の公会堂ヨ、平たく言やァな。洒落た洋モクみてえな名ァついておりやすがネ。 前座ッて言っていゝのかわりいのか、そこンとこあっしにァ分かンねへが、のっけにお出ましになったんが、笑福亭たまヨ。この兄さんがまた、声がでけへ。あっしァ寄席ぢァなるたけ前の方に席ィとるやふにしてるもんで、余計でけへ。それが電気仕掛けで拡大してるンで割れるやふヨ。出鼻であっしァ浪花のド根性に負けちまったヨ。江戸ッ子ァ根性なんか持ち合わせてねへから、からきし駄目ヨ。 この兄イは変わり目ッて噺ィしてくれやしたが、枕でいゝこと言ったネ。見上げたヨ。これ聞かせてもらったゞけで、野口の旦那お一方ハ安い。 その枕によりァ、上方の落語ッてのハ大道芸がはなの始まりなんだッてネ。御用とお急ぎのお客さんの足ィ停めきァなんねへ。そいであのちッせへ拍子木、小拍子ッてそうだが、そいつと扇、これが扇子ぢァねへのよ、でかい音ォ出すためなんだろうね、扇をお使いサ。その二ツゥ両手に持って見台をバンバン叩くのヨ。その威勢がいゝッてッか、騒がしいッてッか、なんだこの騒ぎワってんで人が立ち止まるッて寸法サ。いっぺん立ち止まった客をこんだァ逃がしちァなんねへッてんで、矢継ぎ早に切れ目なくしゃべくって引きずり込むッて戦法らしいのサ。 そこいくッてへトお江戸の落語ァ文人先生たちが座敷で酒ェ酌み交わして余興に笑い話なんかやりだしたンが始まりッて聞きやすんで、そいだからでけえ声ァだせねへ。上方の落語がどんどん押して行くンだとすりァ、江戸の落語ハどっちかッて言やァ引きの芸ヨ。志ん生や圓生聴いておりやすトそう思ひやすよ、あっしァ。 さて、続いて高座に上がったンは桂三風、次が講談の旭堂南湖、とりが二度のお勤めでモいちど三風。はてな茶碗で〆やした。欲に転んだ油売りの哀れさを上手に出しやしたゼ。結局いゝ芸見せてもらいやした。ありがとヨ。

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コメント

はじめまして・・(恥ずかしながら)ひでちゃんと申します。
今回の落語会の席亭の旦那衆??の一人でございます。
「江戸」そのものの喜三二さんがご来場の折には、
「上方落語」は受け入れてもらえるものかと、少々心配したり・・
しておりましたが、楽しんでくださったご様子で、
ありがとうございました。

「たま」サンが女流??どこかの編集長の早とちりだったようですけど・・
機会がありましたら、お会いしてお話を・・と思っております。
その節には、ヨロシクお願いいたします。
私のブログにて、こちらの記事をご紹介させていただきました。
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▼ひでちゃん賛江
 文ィ投げ込んでくだすッて、お礼申しやすゼ。
 そいと、上方落語を堪能させてくだすッて、思ひがけねへあすび(遊び)をさせていたゞきやした。
 ありがたふおざりィやす。

 喜の字

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» 爆笑!!ありがとう・・(3) [北杜発!ひでちゃんのエンピツ]
また落語の話かい!!ナンテいわれそうですけど・・ 『爆笑!上方落語会』のお話。 (大丈夫ですよ・・今日で終わりにしますから) この落語会・・すでにお話の通り、長坂商店街で『上方落語10年計画』ってコトで、桂三風サンは毎回座長として来ていただけることになってい...... [続きを読む]

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