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2007年2月11日 (日)

品川心中都々逸(はなのらくごどゝいつのいっく)

 きのふ(昨日)、三田村鳶魚の本めくっておりやしたら、洒落た都々逸に出会いやしたゼ。
 さて、咄(はなし)ァ変わるが、品川心中ッて噺(はなし)がありやしょう。そうさ落語のサ。
 前ァ御職(おしょく[※1])を張っていた女郎が、いまァ落ち目になって、紋日(もんび[※2]))だってのに金が集められねェ。情けなくてたまんねえンで、いっそ死んぢまおうと思ふが、一人で死にァ、あいつァ金が揃わないンで死んだんだト笑いもんになる。それも辛いから、心中なら誤魔化せるだろうト思案して、貸本屋の鳥渡(ちょっと)抜けた金蔵を騙して心中の相方に仕立てやす。
 だけんど金蔵は腹ァ決まっちァいねへ。死んでもいゝような死にたくねへような、煮え切らねへ。じれた女郎が、金さんあんた実正(ほんと)に一緒に死ぬ気があるのト迫るわけだ。そこで金さん、アヽもちヨ、なんなら手附けに目でも廻そうかト応えるッて噺サ。
 そんで、都々逸(どゝいつ)でやすが、そいつァこういふ文句でネ。
 わたしやお前に死ぬ程ほれた、うそなら手附けに目を廻す、トね。
  あの落語がつくられた比(頃)ァ、とうにこの都々逸があったのサ。寄席でこの噺ィすりァ、お客はそいつゥ知ってゝ、二重に受けたわけサ。昔ァ奥が深くてよかったねェ。いまの中身のねえ瞬間芸みてえなお笑いとは違うねェ。

【附(つけた)り】
[※1]見世でもっとも売上の多い妓。
[※2]物日(ものび)の撥音便化したもの。遊里でこの語を用いた。多額の諸経費を花魁、女郎が集めなければならない決まりであった。

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